バルセロナは29日、今季までビルバオを率いたエルネスト・バルベルデ監督(53)が来季から指揮を執ると発表した。

 ルイスエンリケ監督の後任として期待も大きいバルベルデ新監督だが、戦術や指導スタイルは別にして、実は「めちゃくちゃ良い人」なのではないかという声がイングランド方面から上がっている。

 証言するのは15年12月にスペインリーグ・バレンシアの監督に就任し、16年3月に解任された元イングランド代表DFガリー・ネビル氏(42)。

 バルベルデ新監督の就任が決まると、自身のツイッターに「良い男で、素晴らしいコーチ。実際、試合の前後に私に話し掛けてきてくれたスペインでは唯一の監督」と記した。

 ネビル氏が率いたバレンシアは、15-16年シーズン欧州リーグ決勝トーナメント2回戦で、バルベルデ監督のビルバオと対戦。ネビル氏は16年3月17日の第2戦で、審判への抗議で退席処分となった。

 結局バレンシアは2戦合計2-2、アウェーゴールの差で準々決勝進出を逃した。スタンドで仏頂面で観戦していたネビル氏はさぞかし怒り心頭かと思いきや、試合後はピッチに降りてバルベルデ監督とハグ。ネビル氏にとって同監督は、それほど好感の持てる人物なのだ。

 またスペインサッカーに詳しい英国の著名ジャーナリスト、シド・ロウ氏のツイッターによると、バルベルデ新監督は、当時レアル・ソシエダードの監督だったあのデービッド・モイズ氏(54)と試合後、一緒に飲んだ(酒かジュースかは分からないが)唯一の監督でもあるという。

 思うような成績を挙げられないでいた2人の英国人を気の毒に思っただけかもしれない。それでも、ちょっと心温まるエピソードではないか。良い人というだけではメッシ、スアレス、ネイマールらを束ねることはできないと思うが、成功を期待しながら見守りたいと思う。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)