W杯開催を翌年に控え、コンフェデレーションズ杯が開幕したばかりのロシアから、気になるニュースが舞い込んできた。

 AP通信によると、コンフェデ杯にチリ代表を取材に来たチリ人ジャーナリストが、タクシーの運転手から約50倍の法外な値段をふっかけられたという。

 チリのADNラジオに所属するディエゴ・サエスさん(38)は15日、ミュンヘンからの航空機でモスクワ南部のドモジェドヴォ空港に到着。空港からホテルまで約1時間の道のりで5万ルーブル(約9万6000円)を請求された。これは通常の料金の約50倍の値段だという。

 サエスさんは移動の疲れから、最初は言われるままに料金を支払った。だがよくよく考えてみると値段が異常に高いことに気が付き、タクシーから降りる前に知り合いの別のチリ人ジャーナリストに電話で相談。「普通は5000ルーブル(約9600円)くらいじゃないか」と助言を受けた。

 AP通信によると、1時間5000ルーブルでもモスクワの標準的なタクシー乗車料金からすると相当に高額な値段。そのためサエスさんは運転手と口論になったという。

 その後、タクシー運転手は荷物を乱暴にホテルの前へ放り投げ、そのまま行ってしまった。だが機転の利くサエスさんは車のナンバーをカメラで撮影。ホテル支配人を通じて警察に連絡を取り、運転手を捕まえることに成功。お金も全額取り戻したという。

 サエスさんは「運転手はお金を返した後『コンフェデ杯期間中、無料でどこへでも連れていくよ』とオファーしてきた。でも断ったよ」と、もうこりごりと言わんばかりに説明した。

 来年のW杯でも多くの日本人がロシアを訪れるだろう。ここぞとばかりに荒稼ぎをしようと考える輩はそこかしこにいると思う。くれぐれも注意したいところだ。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)