イングランドの守護神ジョー・ハート(30=ウェストハム)の弱点が、英テレグラフ電子版によって一般にまで暴かれてしまった!?

 同サイトは8日「発覚! ジョー・ハートには明らかな弱点があり、対戦相手もそれに気づいている」という記事を掲載。細かな数字も交えながらハートのウイークポイントについて論じている。

 日本で「川島永嗣の弱点はここだ!」なんていうのにはあまりお目にかからないだけに、本場メディアのシビアさを痛感する記事だ。

 テレグラフ電子版によると、ハートは左右両側の低いボールへの対応に難があり、特に左下へのボールに弱いという。

 セーブ率を見てみると左上(83・3%)真ん中上(83・2%)右上(84・5%)真ん中下(84・7%)に対し、左下は61・6%、右下は64・6%と低くなっている。

 中でも左下のボールへの対応は年々悪化しており、マンチェスターCに所属していた11-12年シーズンに80%近くあったセーブ率が、ウェストハムでプレーする今季は30%にも満たない。

 相手チームも当然そのデータを持っており、どんどん弱点を突いてくる。今季は右下へのシュートが2本に対し、左下へは7本。トリノでプレーした昨季は右下へのシュートは25本で、左下へは44本だったという。

 記憶に新しいのは16年欧州選手権1次リーグのイングランド-ウェールズ戦。ウェールズ代表FWベール(Rマドリード)はゴールほぼ正面、約32メートルのFKをゴール右下(GKハートから見ると左下)へ落ちるシュートで突き刺した。明らかにそのコースを狙ったキックだった。

 テレグラフ電子版は、ハートがトリノに所属していた昨季、1-4でローマに敗れた試合で4点とも同じような左下へのシュートを決められているとも紹介。

 明確な弱点があるGKを多く起用し、バトランド(ストーク)フォースター(サウサンプトン)ピックフォード(エバートン)らの出場時間が少ないのはなぜだと訴えている。

 ただ逆に言えば、これだけ弱点がはっきりしていれば、その克服へ向けた練習の方向性もおのずと決まってくるということ。ハートはまだ30歳で、いきなり極端に動きが遅くなる年齢でもない。頑張って練習し、もうひと花咲かせて欲しい。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)