12日の欧州チャンピオンズリーグ1次リーグ・セルティック-パリ・サンジェルマン(PSG)戦で、PSGのブラジル代表FWネイマール(25)が相手選手とのユニホーム交換を断った理由が明らかになった。

 ネイマールは5-0での勝利が決まると、試合中に激しくマッチアップしたセルティックDFアンソニー・ラルストン(18)との握手を無視。さらに同DFからユニホーム交換を求められると、これを拒否した。 この映像がネットを中心に世界中に拡散。すると英メディアを中心に「世界で最もお金をもらっている選手が、18歳の若手有望株をむげに扱った」と批判が巻き起こった。

 試合中の激しい接触でイライラしていたとはいえ、握手を無視するのはいただけない。ただ、ユニホーム交換をしなかったのには別の理由があったようだ。

 スコットランドの地元紙ザ・スコッツマンによると、ネイマールはユニホームをスコットランドの伝説的選手ケニー・ダルグリッシュ氏の妻マリーナさんのチャリティーへ寄付することを約束していたのだという。

 セルティックとリバプールでいずれも100ゴール以上をマークしているダルグリッシュ氏は、05年にマリーナさんがチャリティー基金を立ち上げるのを援助。

 今回ネイマールからユニホームを提供されたことについても自身のツイッターに「とても感謝している。ありがとうネイマール。すべてのお金は妻のチャリティーを通じて乳がん患者のために役立てられます」と記している。

 試合中のダイビングや、相手を小ばかにするような態度で、アンチも多いネイマール。ただ、試合の映像を見ているだけでは、なかなか真の人間性を理解することはできないと、あらためて思った出来事だった。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)