U-17W杯決勝が行われ、決勝トーナメント1回戦で日本を下しているイングランドが、5-2でスペインを破って初優勝した。

 2点を先行されたものの、ゴールデンボール賞(大会MVP)に輝いたMFフィル・フォーデン(17=マンチェスターC)の2発などで逆転。見事W杯を手にした。

 フォーデンはテレビのインタビューで「2点を取られても逆転できると思っていた。だから落ち着いて、自分たちのフットボールをしようと心掛けた」と勝因を説明。その直後、大盛り上がりのチームメートたちが歓声を上げながら、カメラの前から同MFを連れ去ってしまうという、ちょっとほほ笑ましいハプニングも生まれた。

 そのフォーデンが今度は、プレミアリーグ・デビューが近いのではと英メディアの注目を浴びている。マンCのキャプテン、ベルギー代表DFコンパニーも自身のツイッターに「早く帰ってこい。水曜日に試合があるぞ」と書き込んだ(水曜日はプレミアリーグではなく、欧州チャンピオンズリーグだが)。

 身長169センチと小柄ながら左利きで抜群のテクニックを持ち、スルスルと相手を抜いていく様はまさに「マンCのメッシ」。バルセロナの下部組織でもプレーしたU-17日本代表FW久保建英もメッシと比較されることが多いが、フォーデンも負けず劣らずメッシっぽい。

 かつてバルサを率いたグアルディオラ監督はフォーデンについて「特別な才能を持っている」と賛辞を惜しまない。また、今年7月20日、プレシーズン大会であるインターナショナル・チャンピオンズカップのマンチェスターU戦に同MFが出場した際には、FWアグエロがそのプレーにぞっこんになった。

 フォーデンのテレビインタビューに乱入。アナウンサーから「彼は君(アグエロ)のことを尊敬している」と聞かされると「オレもお前のことが大好きだ、フィル」と笑顔を見せた。

 フォーデンの他にも、大会得点王に輝いたブリュースター(リバプール)ら才能の宝庫だったU-17イングランド代表。若きスターの登場が、A代表の黄金時代到来も予感させた。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)