ワールドカップ(W杯)ロシア大会でドイツから歴史的な1勝を挙げたメキシコだが、開幕2週間前には代表選手たちの下半身スキャンダルへ批判が集まっていた。

 地元メディアや英デーリーメール紙(電子版)によると、メキシコは今月2日の親善試合スコットランド戦に1-0で勝利。試合後、気を良くしたGKオチョア(スタンダール)、DFサルセド(フランクフルト)、DFエレラ(ポルト)、MFドスサントス兄弟ら数人の選手たちが、30人のコールガールらと24時間にもおよぶパーティーを開催したという。

 パーティーに参加した多くが既婚者だったということもあり、ファンからは「代表から追放すべき」との声も上がった。ただ、ドイツからの大金星が批判の声を完璧に封じたのは言うまでもない。

 筆者としては倫理的な問題よりも、スポーツサイト・ブリーチャーリポートが掲載した「試合前にセックスを行うことが選手にとってどう影響するのか」という記事の方が興味深い。ドイツのレーウ監督は「ガールフレンドや妻たちにチームを乱されたくない」との思いから選手たちにセックス禁止令を通達しているようだ。だが実際のメリット、デメリットはどんなものなのだろうか。

 ブリーチャーリポートによると、ブラジル代表FWガブリエルジェズス(マンチェスター・シティー)は大先輩ロマーリオ氏から貴重な? アドバイスを受けている。94年W杯米国大会MVPの同氏はガブリエルジェズスに対し「やれるだけやれ!」と助言をしているのだ。

 「試合の4時間前にした」「遠征中の飛行機の中でもした」という逸話を持つ絶倫ロマーリオ氏らしいアドバイスだが、これはあながち間違っていないという。

 性科学者のミーガン・スタブ氏は「試合前のセックスが選手を消耗させるといった科学的根拠はどこにもありません。逆にセックスをすると気分が高揚し、自信が高まり、痛みに耐えやすくもなります。長すぎるものや、ケガをするようなものでなければ試合前にすることは素晴らしいことです」と説明している。

 ただガブリエルジェズスは奔放なロマーリオ氏とは違い、家庭的でお母さん子のイメージが定着している。ゴールを決めた後の電話をかけるパフォーマンスには「ハロー、ママ。アイ・ラブ・ユー」の意味が込められている。そんなガブリエルジェズスがロマーリオ氏の助言を受け入れてしまったら。別な意味で選手としてダメージがあるのではと思ってしまう。【千葉修宏】】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)