サッカーのイングランド代表のギャレス・サウスゲート監督(51)が、代表チームに女性スタッフが少なすぎると主張した。英BBC電子版が報じた。

現在イングランド代表には2人の女性スタッフがいるが、同監督は「我々には全部で40人のスタッフがいる。それなのに女性が2人では、理想とする数には全然足りない」と話したという。

サウスゲート監督はイングランドにおける女子サッカー界全体の進歩が、代表チームの女性スタッフの数に反映されていないと考えている。

「お父さんたちに会うと、誇らしげに『娘がサッカーをやっているんだ』と言うようになった。5年前にはなかったことだよ。少女たちがサッカーをやっていなかったのか、父親がサッカーをする娘を誇りに思っていなかったのか、それは分からないけど、今では父親たちは娘がサッカーをプレーすることにワクワクしている」。

そう話す同監督はイングランド協会(FA)で働く女性の割合が38%だと話し「協会はとても多様になってきている」と説明。その上で、代表チームにもより多くの女性スタッフを加えたい意向を示した。

一方、米国では男女で給与を同じにしようという動きが見られる。米国連盟は男女代表に同一の給与体系などを導入する労使協定案を提示したと報じられた。

個人的には給与を男女で同じにするのは、なかなか難しいことだと考えている。興行収入などもその原資の1つとなるため、男女で観客数などに明らかに差がある場合には、同一賃金導入への同意を全関係者から得るのは難しいだろう。とはいえ女子サッカーが圧倒的な人気を誇る米国ならば、これは十分可能。そしてその流れが各国に波及していけば、プロサッカー選手にあこがれている少女たちにとっても励みになるに違いない。

日本では女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」が開幕したばかり。開幕戦のちふれ埼玉-広島戦をテレビで観戦したが、広島は元なでしこジャパンで、このチームではボランチを務める近賀を中心にしっかりとしたパスサッカーを展開していて、今後が楽しみだと感じさせた。WEリーグによって日本のサッカー界における女性の存在感が、より一層高まっていくことに期待していきたい。

ちなみに手前みそだが、弊社の女性社員たちもとびきり優秀な精鋭ぞろいだ。あの仕事ぶりを見ていると、サウスゲート監督ではないが、普通に管理職も新入社員もすべて男女半々で良いのでは、と思ってしまう。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)