22年ワールドカップ(W杯)カタール大会の開幕まであと50日を切った。

世界中が注目するサッカーの祭典が目前に迫る中、みなさんはW杯公式マスコットをご存じだろうか。

W杯にしても、オリンピックにしても大々的に公式マスコットを発表するわりに、世間への浸透はいまひとつの場合が多い。東京五輪のマスコットが何という名前か覚えている(知っている)方は多くないのではないだろうか。

だが筆者は22年W杯カタール大会のマスコットはまあまあイケていると思っている。名前は「La'eeb(ライーブ)」。国際サッカー連盟(FIFA)公式サイトによると、アラビア語で超一流の選手という意味があるのだそうだ。

何がイケているのかというと、まず見た目がかわいいし、ぱっと見たときに分かりやすい。カタールの男性が頭にかぶるガトラと呼ばれる白い布をモチーフにしており、見ただけでアラブ世界を象徴していることが理解できる。

また突拍子もない設定も面白い。ライーブは、いろんなマスコットたちが生息する異次元のパラレルワールドからやって来たという設定。ライーブは過去のすべてのW杯に参加しており、実はあのマラドーナの「神の手」ゴールもライーブのしわざだという。W杯公式ユーチューブがばかばかしい合成映像をアップしているのだが、ばかばかしくて面白い。

近年のスポーツイベントで最もファンに愛されたマスコットは間違いなくは北京五輪のあのパンダ「ビン・ドゥンドゥン」だと思う。ビン・ドゥンドゥンのぬいぐるみを大事そうに抱える選手も数多くいた。

ライーブがあの人気を超えるのは難しいかもしれないが、中東で行われる初めてのW杯のマスコットとしては、なかなか良い出来栄えなのではないだろうか。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)

ドーハを歩くと、いたるところにライーブの姿を見ることができる
ドーハを歩くと、いたるところにライーブの姿を見ることができる