トーマス・トゥヘルが今夏新たに就任した日本代表MF香川真司のドルトムントは、17日の欧州リーグで逆転勝利を収め、今シーズンの公式戦連勝記録をついに10まで伸ばした。低迷した昨季と比べると、現在の彼らのパフォーマンスはまるで別のチームであるかのように雲泥の差がある。

 その理由の1つがフィットネスの状態だ。ドルトムントの主将を務めるドイツ代表DFマッツ・フンメルスは以前、専門誌「キッカー」に対し、「2014-15シーズンの前半戦は体が重たかった。完全に体重オーバーだったんだ。(敗戦の)ストレスから過食気味になり、体重が増え、(良いプレーができず)また試合に敗れるという悪循環に陥っていたんだ」と、食事の内容が自身のコンディションに大きく関与していたことを明かしたが、そこの改善が今、同クラブに好影響をもたらしている。

 7月末に開催されたEL予選3回戦ファーストレグのクラーゲンフルト(オーストリア)戦後に香川が「献立とかも監督が決めているんだと思います。そういうところもすごく細かいと思いますね」と語ったように、指揮官の要求は細部にまでわたっているらしく、また大衆紙「ビルト」によれば、「栄養に関してはかなり多くのことをやったからね。砂糖の摂取量も激減したよ。特に飲み物でね」と、DFマルセル・シュメルツァーも同監督の栄養改革について説明した。またドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンなどは体重が4キログラムも減り、先述のフンメルスも今では野菜中心の食事に切り替え、肉や牛乳など動物性食品を極力摂らないようにしているという。

 しかし、これを行っているのは、どうやら選手だけではないようだ。

 ドルトムントのチームバス運転手クリスティアン・シュルツ氏も、7月のバート・ラガーツ(スイス)合宿から自らの健康を見直した人間の1人で、その頃100キログラムを超えていたという同氏は「さすがに『これ以上はまずい』と思ったんだ。それから(選手のように)小麦類、ビール、ピザ、フライドポテト、パンなどを食べないようにした」ところ、現在は91.2キログラムまでダイエットに成功。今後の目標は「85kg!」だという。

 体はほっそり、でも白星はたっぷり-トゥヘル・ドルトムントの快進撃は今後も続きそうだ。