4位ホッフェンハイムと得失点で4点の差をつけているため、最終節ブレーメン戦で勝利すれば、来シーズンの欧州CL本戦出場権を手中に収めるであろうドルトムント。しかしこの試合が、トーマス・トゥヘル監督にとって本拠地ジグナル・イドゥナ・パークでのラストゲームになる可能性が高いという。

 大衆紙「ビルト」によれば、トゥヘル監督とハンス・ヨアヒム・バツケ社長の関係は昨年まで平穏を保っていたものの、今年に入ってからアレクサンダー・イサックの獲得、2月のダルムシュタット戦黒星、3月に同監督が選手へメディテーション(瞑想)・トレーナーの講義を強制したことなどを経て、徐々に悪化。そして4月、チームバス爆破事件の翌日にCLモナコ戦を開催した件で、両者の間に決定的な亀裂が入ったと見られており、19日の同紙電子版は「ボスと意見の相違が多すぎるため、5月27日にベルリンで開催されるドイツ杯決勝の後、トゥヘル監督はドルトムントの監督を辞めなければならないだろう」と記している。

 トゥヘル監督は19日の公式会見で「このスタジアムの雰囲気を心待ちにしている。火花が飛び散るような特別な試合だ。あの空気を吸い込みたい」と話したが、「ラストゲームになるのでは?」という憶測については、「そのことは完全に脇へ置いている。そうでなければ、監督をやっている人は毎試合『今日が最後の試合になるかもしれない』と考えなければならないからね」と、冷静に語ったようだ。

 なおビルト紙によると、かつてヘルタやボルシアMGで指揮を執り、今季ニースを率いているルシアン・ファーブレが有力な後任候補とのことで、同紙は「ニースは来季に向けた移籍交渉の際、『ファーブレは来季、監督を務めない』ということも(選手や代理人に)伝えている」と報じている。

 しかしながらトゥヘル監督の功績は大きく、彼が指揮したこの2シーズン、ドルトムントはリーグ戦での本拠地無敗を守り続けただけでなく、ドイツ杯決勝にも2年連続で出場している。

 果たして、来シーズンのドルトムントベンチ前には、誰が立つことになるのだろうか。