1カ月以上にわたるオフ期間を終え、すでにブンデスリーガクラブの多くが始動日を迎えた。彼らは8月18日から20日にかけて行われる2017-18年シーズン開幕節に向け(2部は7月28〜31日に第1節を開催)、日々トレーニングに汗を流しており、国内外で今後行われる合宿および遠征で、さらに体をいじめぬいていく。


 一般的に言えば、彼らが合宿に利用する場所は、日常の喧騒から離れ、トレーニング設備が充実しているなど、サッカーに集中できる宿泊施設が選ばれる。もちろん5つ星、もしくはそれ以上のランクのホテルに滞在することも、決して少なくない。しかし、たった1年でそんな環境から縁遠くなってしまったクラブがある。それは、現在ケルンでプレーする大迫勇也が、2014年に半年間在籍していた古豪1860ミュンヘンだ。


 長らくブンデスリーガ2部に所属していた1860ミュンヘンは、昨季リーグ戦16位となり、3部3位レーゲンスブルクとの入れ替え戦にも敗れ、3部への降格が決定した。ところが、同クラブに多額の出資を行っている富豪ハサン・イスマイク氏が、ブンデスリーガ3部のライセンス料支払いを拒否したため、同クラブは3部を飛び越え、一気に4部まで転落。来たる2017-18年シーズンは、アマチュアにあたるレギオナルリーガ・バイエルン地区で1年間を過ごすことになった。


 そんな彼らは、6月26日から7月1日までの6日間、ザルツブルクの南東50キロにあるオーバートラウンで合宿を行っていたが、その宿泊先は、3食付きで1人1泊51・2ユーロ(約6300円)と格安。大衆紙「ビルト」によると、ホテルというよりはむしろユースホステルに近く、1年前の今頃、合宿地バートウェリスホーフェンで泊まった朝食込み1人1泊200ユーロ(約2万5000円)以上のホテルとは、中身も外見も金額も、すべてがかけ離れていたという。


 連日、午前と午後の2部練習に打ち込み、先週末オーバートラウンからホームタウンへ帰還した1860ミュンヘンの選手らは、8日にプレシーズン最後のテストマッチを行い、13日19時に4部リーグ開幕戦を迎える。一からの再出発となったLöwen(1860ミュンヘンの愛称。日本語訳で「ライオンたち」)は、果たして今シーズン3部への昇格を達成できるだろうか。