大手飲料メーカー「レッドブル」社の潤沢な資金をバックに急成長を遂げたRBライプチヒ。他クラブが抱く彼らへの嫌悪は、子どもにまで影響を及ぼし始めている。

 地元紙「ライプチガー・フォルクスツァイトゥング」が報じたところによると、同じライプチヒに本拠地を構えるロコモティフェ・ライプチヒ(4部リーグ所属)のEユース(13歳以下)の選手たちが、ブンデスリーガ1部の試合でRBライプチヒのプロ選手らとピッチへ入場できるという、夢のような権利を放棄したという。

 そもそもこれは、Eユースの子どもたちが7月の地元カップ戦で優勝したご褒美として与えられたもの。しかし今回の決断は、Eユースの選手が自ら下したわけではなく、同クラブの会長、トーマス・レーベ氏の意向だ。

 レーベ会長は取材に対し、こう話している。

 「ロコモティフェとRBは相いれない存在だ。我々は誇り高いクラブだし、周りからのプレゼントをなんでも受け取るわけではない。そしてRBライプチヒとの協力関係はすべて排除している。そのことはクラブの哲学として、しっかりと心得ておかなければならない」

 しかし、このレーベ会長の措置に対しては、当然ながらRBライプチヒのオリバー・ミンツラフCEOも、「首をかしげるばかりだ。ピッチに入場できるはずだった子どもたちとその両親のことは、我々は心からウェルカムだったのに…」と、大いに納得できない様子。

 同会長は代替案として、ライプチヒから遠く離れた場所で行われる10月21日のブンデスリーガ1部ボルシアMG対レーバークーゼンの観戦旅行を、選手と両親にプレゼントする予定だというが、ロコモティフェのトップチーム監督ハイコー・ショルツ氏も会長の勝手な判断に激怒しており、同チームでプレーする子どもを持つシュテファン・ハッシェさんは、「なぜ子どもたちに何も聞くことなく、こんなことになってしまったのか。それにわざわざ500km離れたところまで行かなくても、自分たちの住む町でブンデスリーガ1部の試合は見られる」とビルト紙にコメントしている。

 なお、同紙によれば、レーベ会長が言う“クラブの哲学”に嫌気が差し、すでに何人かの子どもたちはロコモティフェを退団。他クラブへの移籍という道を選択しているという。