昨年夏、シャルケ指揮官に就任したドメニコ・テデスコ監督の定めた新罰則がついに適用された。記念すべき(?)第1号となったのは、同監督と同じく今季開幕前にゲルゼンキルヘンへやって来たアミーヌ・アリだ。

 これまでシャルケでは、遅刻などの規律違反を犯した選手には罰金が科されていた。しかし昨夏、専門誌「シュポルト・ビルト」の取材に対しテデスコ監督は「チームが成功を収めるためには、規律というものが非常に重要な基盤となる。これまで導入されていた処罰では、大金を稼ぐサッカー選手にとってほとんど痛くない。だから彼らの時間を犠牲にしてもらうことにした」と話しており、罰金ではなく、シャルケ公式ファンショップでの“強制労働”や、社会奉仕活動を行わせるように罰則を変更。スポーツディレクターを務めるクリスティアン・ハイデル氏も「このようなペナルティーのほうが、選手にとっては余計に嫌かもしれないね」と、新指揮官の案を支持していた。

 今季始動から半年間は全選手がしっかりと自らを律していたようだが、一部に気の緩みが生じてしまったのだろうか。どのような違反を犯したのか詳細こそ記されていなかったものの、シュポルト・ビルト誌はアリが先日、ファンショップで販売員ボランティアに従事したことを報道している。

 また同誌によると、フランコ・ディ・サントやウェストン・マッケニーも、シャルケが創設した慈善財団での奉仕作業を命じられたようだが、アリを含め3人とも不平不満など口にすることなく、与えられた任務をまっとうしたという。

 テデスコ監督の設けた新たな懲罰規定。今後、他のブンデスリーガクラブにも同様のものが広まっていくかもしれない。