プレシーズン中にもかかわらず、ヘルタ・ベルリンが長めのオフに突入した。

 ライプチヒ、ドルトムント、レーバークーゼンなどよりも約10日早く、6月28日に全体練習初日を迎えたヘルタの面々は、大衆紙「ビルト」によると、すでに高いフィットネス数値を叩き出しており、パル・ダルダイ監督は急きょ7月23日から29日までオフにすることを決定した。

 同クラブのコンディショニングコーチ、ヘンリク・クフノ氏はビルト紙に対し、「休みをもらえて選手はもちろん喜んでいるだろう。しかし彼らはこの機会も役立てていかなければならない。消極的ではなく、活動的な休日を過ごす必要がある」と話している。

 では、シーズン開幕に向けて各クラブが汗を流している中、異例ともいえる1週間の休暇を設けることは、はたして得策なのだろうか?

 スポーツ心理学を専門とするライプチヒ大学のマルク・レーブ博士は「何人かの選手が緊張の糸を切らしてしまう可能性も、完全には否定できない」と危険性を指摘しつつも、「なぜ1週間の休暇を導入したのか、その目的をしっかりとクリアにしておけば、このオフはより意義深いものとなるはず。モチベーションという観点からも、意味のあることだろう。パワーを補給し、精神的にも回復できるからね。これまでのプレシーズンでやってきたことを、(休暇明けの)“第2部”で効果的に反映することが可能となる」と、ポジティブな見解を示している。

 コンディショニングコーチのクフノ氏が用意したトレーニングプランに従いつつ、約1カ月の長い休暇を過ごした選手は、近年のチーム始動日では最高レベルのコンディションで今夏プレシーズンに突入したという。この1週間も彼らは全員、同氏から個人練習メニューを手渡されており、きっと指揮官も満足する状態で再合流の日を迎えてくれるのではないだろうか。