本来、お祭りムードと幸福感のみで終わるはずの引退試合が、わだかまりを生じさせてしまったかもしれない。


昨シーズン限りで現役を退いた元ドイツ代表DFペア・メルテザッカー氏のお別れ試合が、10月13日に同氏の地元でありプロデビューを飾ったハノーバーで行われた。同クラブ時代の同僚を中心に集められた「Mertes 96-Freunde(メルテのハノーバーの友人たち)」と、ブレーメンやアーセナル、またドイツ代表時代の仲間たちで作られた「Pers Weltauswahl(ペアの世界選抜)」が対戦したこの試合は、10-9で後者が勝利した。


しかし、ドイツメディアやSNSを通じて事前に発表されていたメンバーのうち数名が、この引退試合をドタキャン。大衆紙「ビルト」によると、ともに2014年のワールドカップ優勝を手にしたミロスラフ・クローゼ氏は、短期バケーションに出掛けるため前日に不参加を表明したようで、同じくドイツ代表での同僚ミヒャエル・バラック氏も、キックオフの6時間前に欠席の連絡をしてきたという。


メルテザッカー氏はスタジアムに集まった観衆の前で「何人かは直前になっていきなりキャンセルした。ここに来てくれた人は全員、この試合を楽しんでくれた。ここに来なかった人はみな、ハノーバーに値しなかった」と、突然の辞退を表明したかつての仲間を“口撃”し、試合後もビルト紙に対して「数名の選手をリストから消さなければならないなんて、本当につらいよ」と、気落ちしていた。