闘莉王が陰の司令塔でセパハン倒す
- 「男なら…」の横断幕を背に練習する浦和闘莉王
日本勢初のクラブW杯出場を果たす浦和DF闘莉王(26)が「影の司令塔」となって歴史的初勝利を目指す。今日10日、同杯準々決勝でセパハン(イラン)と激突。9日にさいたま市内で最終調整した闘莉王は、右ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂で長期離脱したMFポンテの穴を埋めるため、積極的に攻め上がり、攻撃陣の起点としても貢献することを明言。自らの力でリーグ終盤に陥ったチームの得点力不足を打開する自信をみせた。
ポンテ不在の緊急事態は闘将が埋める。冒頭15分以外は非公開となった最終調整後、闘莉王は中盤での役割を強く意識した。「自分が(パスを)さばかなくちゃいけない。できるだけ阿部、(鈴木)啓太、ハセ(長谷部)の手助けになるポジションに入らないといけない」。トップ下には長谷部が入り、闘莉王は本来の3バックの中央で先発出場することが確実だが、守備にとどまるつもりはない。
イメージは影の司令塔の役割だ。鈴木、阿部と「3ボランチみたいに」(闘莉王)並び、トップ下の長谷部を後方支援に入る。中盤で「君臨」してパスをつなぎ、得点に絡むプレーに徹する。今月5日から3日連続という異例の紅白戦を消化してMF陣との連係面も確認。オジェック監督には「上がって良いが、早く(守備に)戻れ」との指示を受ける闘莉王だが「攻撃はオレのプライドでありスタイル。チャンスがあれば何往復してもいい」との攻撃の意識ばかりを高める。
アジア制覇したが、あと1歩でJ連覇を逃した。闘莉王自身、最終節となった1日の横浜FC戦は出場停止。何もできずに目前でV逸した責任感が募る。自身のリーグ戦得点も昨季7得点から今季は3得点に減少。「昨季はオレの攻撃があって優勝できた。今季は最後の最後にそれを出し切れなかったのがV逸の原因」と分析する。チームは最近4戦連続で無得点が続いているだけに、ゴールに絡むことに集中している。
アジア・チャンピオンズリーグに続いてセパハンとは3度目の激突。勝てばACミランとの準決勝を控える。幼少時代からあこがれていた夢の世界舞台。「2度と立てるか分からない舞台。空回りするぐらいの力を出さないと悔いが残る。悔いのないように楽しみたい」と闘莉王。V逸の悔しさと世界に挑む期待感を胸に影の司令塔として存在感を見せつける。【藤中栄二】
[2007年12月10日9時33分 紙面から]
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