国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件で、FIFA幹部らは業者らから賄賂など不正利得(ラケッティアリング)を得たり、資金を不正洗浄(マネーロンダリング)したりした罪で、米司法当局に起訴された。

 司法省によると、業者らは長年、ワールドカップ(W杯)の放映権取得や開催国選定に便宜を図ってもらうため、FIFA幹部らに「1億5000万ドル(約180億円)以上の賄賂やリベート」を支払うなどした。

 日本の刑法に定められた贈収賄は、主に公務員がその職務に関し、賄賂を受け取った場合に適用される。米国の不正利得罪はこれと異なり、民間同士の賄賂のやりとりも対象となるため、FIFA幹部らが起訴された。

 米国には「外国公務員の収賄」を取り締まる連邦法もある。外国政府の役人のほか、国連など国際機関の職員も適用対象。米国外に住む外国人であっても、米金融機関を利用して賄賂を受け取るなどすれば訴追される可能性がある。

 ただ、米国の司法制度に詳しい専門家によると、国際オリンピック委員会(IOC)理事らは「外国公務員」とはみなされない。FIFA幹部らの扱いははっきりしないが、IOCと同列に位置付けられている可能性がある。