国際サッカー連盟(FIFA)の汚職疑惑が、ブラッター会長の右腕で、実務トップを担うバルク事務局長にも及んだ。

 欧米メディアによると、昨年のW杯ブラジル大会のチケットを高額で不正に転売しようとした疑いが持たれている。

 英ガーディアン紙(電子版)はチケット販売を委託された会社幹部の電子メールについて詳しく報じている。同紙によるとサンパウロでの決勝トーナメントの試合は額面230ドル(約2万8000円)の券50枚が1枚1300ドル(約16万円)で、1次リーグのドイツ戦は190ドル(2万3000円)の券600枚が3倍の値で売られることになっていたという。

 事務局長とこの幹部との共犯関係をうかがわせる文言もある。ブラッター会長は07年、協賛社とのトラブルで謹慎処分も受けたバルク氏を抜てきし、重用してきた。今後は会長にもさらなる疑惑の目が向けられ、組織運営の責任を問われるのは避けられないだろう。