◆ACミランFW本田圭佑(30)

 日本代表FW本田圭佑にとって、重要な意味を持つ2017年を迎える。所属のACミランでベンチを温める日々が続き、これまで絶対的な存在として引っ張ってきた代表でも、昨年のW杯アジア最終予選サウジアラビア戦(11月15日)で先発から外れる苦渋を味わった。このまま落ちていくのか。それとも再び強烈な光を放つのか-。まさに、勝負の1年が始まる。

 元日本代表FW中山雅史が初めて得点王に立ったのが31歳。川崎FのFW大久保嘉人もまた、31歳から3年連続で得点王に輝いた。31歳を迎える今年、本田の「伸びしろ」は無限大に広がっていると期待したい。

 18年W杯ロシア大会まで、あと1年半。本田の好不調は、日本代表にも大きな影響を及ぼす。10年W杯南アフリカ大会で16強に導くと、「W杯優勝」を公言し、強引なまでに世界の頂点に押し上げようとした。日本は12年10月の欧州遠征で、フランスに1-0で勝利。翌13年11月の欧州遠征でもオランダに1-1の引き分けに持ち込み、FIFAランク5位だったベルギーには3-2の金星。世界トップレベルと互角以上に戦えるまでになった。

 だが、世界一になるはずだった14年W杯ブラジル大会で1勝もできずに1次リーグ敗退。あの屈辱的なW杯以降、2年半で本田が所属クラブで挙げた得点は2桁に満たず、日本の成長までも止まってしまったかのように見える。

 本田が完全復活しなければ、18年W杯に明るい兆しは見えてこない。日本の象徴的存在だからこそ、その責任は重い。

 以前、本田は記者の取材にこう答えたことがある。

 「俺は引退してからの方が、デカイことをする確信があるんでね」。

 サッカー選手としての本田圭佑は、まだ何も達成していない。W杯では公言し続けた「優勝」どころか、アジア最高順位(02年日韓大会で韓国の4強)にも届かない。現役でいるうちに世界を驚かせるような「デカイこと」をしてもらわなければいけない。

 勝負の2017年。本田が輝けば、輝くほど、日本の未来は明るくなるはずだ。【益子浩一】