鹿島MF柴崎岳(24)のスペイン2部テネリフェ移籍が決まった。1月31日、クラブが発表した。

 柴崎にとって悲願のスペイン挑戦が成就した。青森山田高時代、黒田監督に「行くならスペイン。日本人が成功していないから」と言った舞台。14年オフにはバルセロナへ1人旅し「いつか住む国」という視点で街並みを見てきたという。

 その冬、初めて具体的な欧州挑戦の話が出たが、振り回された。まずセリエAパルマから興味を示されたが、財政危機で破談(クラブが破産)。15年はドイツ1部ハンブルガーSVの“試験”を受けた。強化担当が6月のW杯2次予選シンガポール戦、8月の東アジア杯を極秘視察。当時日本代表だった柴崎をチェックしたが、その合間に左の中足骨を痛めて見送られた。10月のナビスコ杯決勝ではフランクフルトが視察。しかし、MVPを獲得した小笠原が輝きすぎ、正式オファーには発展しなかった。

 足元を見つめ直した16年は「鹿島で優勝してから」と欧州志向を封印し、国内2冠。最低限の荷物以外は自宅から実家へ送り、満を持しての海外移籍に備えてきた。先月28日のマドリード到着後は、かつて旅したバルセロナへ移って待機。スペインへのあこがれを強めた地で、吉報を受け取った。【前鹿島担当=木下淳】