ドルトムントMF香川真司が公式戦3試合連続のフル出場を果たし、決勝点の起点となるなど、チームの勝利に貢献した。

 ようやく出場機会を得た香川は充実した日々を過ごしているのか、ミックスゾーンでは晴れ晴れとした表情を見せていた。

 以下は一問一答。

 ―久々に1週間で3試合

 香川 いやー、きつすぎて、ヤバかったですね(苦笑)。あとは勝ってホっとしたのが大きいですね。

 ―膝の具合は

 香川 打撲だけで問題はありません。

 ―立ち上がりは早い時間で点が取れた。

 香川 やっぱりこういう試合は先制点が大事ですし、そういう意味ではあの1点は大きかった。2点目、3点目とたたみかけたかったんですけど、チームとしてそこまでうまく攻撃ができてなかった。

 ―後半、シュメルツァーのクロスからバイタルに入って行ったシーンがあった

 香川 ワンタッチで股(の間)を狙えれば良かったんですけど。良い形でイメージ通りだったが最後伸びなかった。でもああいう場面をもっと増やしていきたい。今日はなかなか効果的なボールが入らず、相手もコンパクトにきていた。リスクを負ってトライしてきたが、もうちょっとチャンスを作れても良かったですね。そこは物足りない。

 ―先制点の起点になった。シュメルツァーが走るのは見えていた?

 香川 そうですね、ラファ(ゲレーロ)から縦パスが入ることは意識して待っていたので、相手も食いついてくるなとおもったんで、うまくターンできましたし、そこからの流れはうまく崩せたと思う。いいゴールだったと思います。

 ―3試合連続フル出場。その前の時期に比べ、アピールとか、監督のやり方への融合とか手応えはある?

 香川 手応えは感じてますし、自分の状況もいいと思っている。これを続けていくしかない。ただ、メンバーの層も厚いですし、目に見える結果も求められるし、常にもとめていきたいですね。あとは自分自身のプレーを出さなきゃ行けないと思っている。最終的には個性あるチームの中で生き残っていくためには自分というものをもっともっと表現したいです。

 ―3試合出てシュートは0本。試合を作るほうにシフトしているような気もするが、その辺は割り切れている?

 香川 そこは多少割り切っていることなんですけど、ただ、攻撃の選手としてシュートがゼロというのは不満を感じるし、考えてやらないといけない。やはりシュートエリアの幅を広げることだったり、前向いたときにスルーパスだったり、パスを考えがちなときにペナルティーエリアでのシュートの意識だったり、そこは今に始まった課題ではないですし、日々やるしかない。練習で意識したり、トレーニングでやっていることが反映されますし、そこは課題です。

 ―これから代表戦。

 香川 改めて気を引き締めなきゃいけない。本当に厳しい戦いが待っていると思っている。ここが本当に大事だと思っているので、みんなで一丸となってやっていきたいなと思います。

 ―UAE戦は悔しい思いをした

 香川 悔しい思いというよりはW杯最終予選の怖さというか。ホームで負けたことはダメージはやっぱり大きかった。そういう意味でもここでもう1回、後半戦いいスタートが切れることが本当に大事だと思っている。このアウェーのタフなゲームで勝ちきることだけを考えてやっていきたいなと思います。

 ―誕生日の試合だったが、今日に関してはいつもと違う感じはあった?

 香川 そうですね、あんまり考えないようにしましたけど、自分の余計な感情は。サッカーには関係ないんで。ただやはり嫌でもメールが届いたり、みんなから期待されるっていうのは言われるものなんで、もちろんそれは狙いましたけど(笑)。

 ―28歳の抱負は

 香川 Jリーグの(中村)俊さん、カズさんを含め、上の人があれだけ頑張っている。28歳はカズさんのおかげではるかに若く見える。それは感謝したい。歳を取っていくごとにネガティブになりつつあるのがサッカー界。ただ、まだまだ年寄りではないんでね。いい歳だと思っていますし。まずはこの1年を良い年にするために、もっと成熟してもっと成長していきたいなと思います。

 ―カズさんくらいの年までやろうという考えはどう?

 香川 相当大変でしょうね、あそこまでやられるっていうのは。20歳くらいになったときは、それぐらいやりたいなって思っていたけど、今となって考え方は少しずつ変わりつつある。ただ、少しでも長い間トップレベルでやり続けたいっていう情熱はある。それがある限り僕は欧州でやり続けたいなっていう気持ちはあります。(鈴木智貴通信員)