難民だった少年が、ブンデスリーガ1部でデビューを果たした。ハンブルガーSVのFWバケリー・ジャッタ(18)が、16日のブレーメン戦で後半38分から投入された。

 ジャッタはアフリカ西岸のガンビアからの難民で、ブレーメン近郊のボテルという町にあるローター・カンネンベルクアカデミーで生活していた。16年1月、ハンブルガーSVでトライアルを受けると、夏には3年契約にサインした。

 そんなジャッタがブンデスリーガでデビュー。惜しくもオフサイドになったが、ゴールネットを揺らすシュートもあった。試合は1-2と敗れたが、ギスドル監督は「バケリーは多くの勢いをもたらしてくれた。気に入ったよ。ブレーメンから持ち帰る少ないながらもポジティブなことの1つ。あのゴールがオフサイドでなければと願っていた」とたたえた。

 主将のDF酒井高徳は「いつもいいトレーニングをしていたし、U21では多くのゴールを決めている。今日の出場に見合うだけのことをしてきた。おめでとう」とコメント。MFハントは「バケリーにとって重要な一歩。僕らは彼らの後ろについているよ」と話した。

 上手なドイツ語でジャッタは「僕にとって夢がかなったよ。次はゴールを決める。ブレーメンにいたからここにはたくさんの同胞がいる。起用してくれた監督に感謝しているよ!」と話した。(中野吉之伴通信員)