MF香川真司(28)のドルトムント(ドイツ)は1-3でモナコ(フランス)に敗れ、2戦合計3-6で敗退した。香川はフル出場し、無得点。11日にチームバスが爆発被害に遭い、その影響が残る中で戦ったが、準優勝した12-13年以来、香川にとって初の4強入りを逃した。

 香川にとって、マンチェスター・ユナイテッドに所属していた13-14年と同じ準々決勝敗退となった。ホームでの第1戦は1得点1アシストながら2-3で敗れた。「2-0で勝ち抜けるとは思っていなかった。3点が必要だと」。積極的にボールに触ったが、開始17分までに2失点して苦しい展開に。後半2分に打ったシュートはGKに阻まれ、1分後にはMFロイスのゴールにつながるパスを出したが、反撃もそこまでだった。

 試練だった。第1戦に向かうバスを狙った爆発があり、DFバルトラが負傷。試合は翌日に延期された。香川も「チームが標的にされた。恐怖心がある」と大きなショックを受けていた。クラブ幹部がドイツメディアに「今大会からの撤退も考えた」と明かしたという。ピッチの中では集中力をつないでも、まだ平穏な日常は戻っていない。

 ただ、言い訳はしなかった。「個人の強さを感じた。このレベルになったら体も強く、技術的にも高く、スピードもある」。相手の力を認め、自身の攻撃も「最後の局面はなかなか自由にやらせてくれなかった」と振り返る。「ベスト16から8になるだけで質は相当高い」。格差を感じ、成長の必要性を口にした。「もう1つ上に行くには技術的にも、フィジカル的にも、もう1歩成長しないといけない」。現在リーグ戦4位と、来季の出場権(3位以内が本大会、4位は予選出場)は届く位置にある。「やれるところも感じているし、必ず戦える舞台」。早くも再挑戦をにらんだ。