国際サッカー連盟(FIFA)は27日、W杯2018、22年両大会の招致を巡る不正疑惑を詳細に調査した報告書の全文を公表し、10年の理事会で22年大会に立候補して敗れた日本が、「招致ガイドライン」に定められた額を上回る約10万円相当の贈答品をブラッター会長(当時)らに贈っていたことが明らかになった。

 調査を行ったFIFA倫理委員会の要請に応じて日本サッカー協会が提出した領収書などから、同会長のほか当時理事だったプラティニ氏やハヤトウ氏ら10人以上に贈っていたことが判明したが、ほとんどの元理事らは受け取った事実を否定したと記述されている。

 22年大会の開催国に選ばれたカタールについては120ページ以上の報告があったが、日本は3ページ程度と短かった。

 カタールに関しては、王族や政財界も巻き込んだFIFA理事への接待攻勢ぶりを詳細に列挙。アフリカ・サッカー連盟総会のスポンサーを務めたり、FIFA理事の親しい知人と天然ガス輸出の取引に応じたりと、FIFAの倫理規定や招致の規則に抵触した可能性があるとした。

 報告書は14年に提出されたが、FIFAは全面公表せずに18、22年の両大会の開催は妥当と結論づけた。今月26日までにドイツ紙が独自に全文入手したことを受けて公開し「透明性のためにも発表できた事実を歓迎する」との声明を出した。