ACミランとの契約が6月30日に満了し、無所属となった日本代表FW本田圭佑(31)が、米メジャーリーグサッカー(MLS)の下部に位置する、ユナイテッドサッカーリーグ(USL)のオレンジカウンティSCの練習に電撃的に参加することが3日、分かった。

 プロ選手として初めて、どのクラブにも属していないフリーの立場となった本田は米国に滞在中。個人でトレーニングも行っているが、滞在する西海岸のプロクラブで、より実戦的なチーム練習に加わるという。

 現在同リーグ西地区13位(15チーム中)で、カリフォルニア州アーバインに本拠地を置くオレンジカウンティSCの関係者も、現地3日の合流を認めている。同日の練習は通常通り一般公開される見込みで、シーズン真っただ中の同クラブの米国人を中心とした選手たちと比較し、本田の現時点での動きや調整ぶりも明らかになる。

 異例ともいえる練習参加は、より実戦的なメニューを希望する本田サイドと、オレンジカウンティSC側の意向が合致して実現する。W杯を2度経験した日本のエースで名門ACミランでセリエAのプレー経験を持つ本田の合流を、受け入れ側も貴重な機会として歓迎している。

 今回の動きが移籍を前提としたものがどうかは不明。米国、それも下部リーグを新天地に選ぶかどうかは微妙なところだが、2月にはMLSの強豪シアトル・サウンダース移籍が1度は決定的となった経緯もある。

 新天地選びに際し、本田は6月1日には「基本的にオープンマインドですよ」と独特の言い回しで、フラットに幅広い選択肢から新天地選びを進めると明言。Jリーグ復帰だけは明確に否定したが、それ以外は世界中のクラブが候補となっている。

 08年にJ1名古屋から当時オランダ1部のVVVフェンロに移籍した際も、契約満了によるフリーでの移籍で、最初は練習参加からだった経緯はある。当時と違い、本田の実力は世界である程度知られている。参加の意味合いも9年前とはまったく違うが、米国での本田の動向からますます目が離せなくなった。