【パチューカ(メキシコ)18日=八反誠】日本代表FW本田圭佑(31)が、新天地で世界平和を願いピッチに立つ。メキシコ1部パチューカは、クラブ施設でシーズン開幕に向けたイベントを開催。本田を含む新加入選手6人がサポーターら約2000人にお披露目された。その後、本田だけの会見が行われ、移籍の理由、背番号2に込めた願いなどを初めて自らの口で語った。

 まるで音楽フェスのような会場を2000人もの参加者が埋めた。本田は大歓声で迎えられ、6人の大トリで壇上へ。マルティネス会長から新たな背番号2、クラブ伝統の表記で「02」と入ったユニホームを手渡されると2人は示し合わせたかのように、笑顔でピースサイン。ただの撮影用のポーズではない。理由は約2時間後の個別会見で明らかになる。あえてDFが背負う番号を選んだわけは、実に本田らしいものだった。

 「世界平和へのあこがれをずっと抱いている部分がある。2はそのままピース(サイン)。意味をつなげました」。欧米でも平和の「PEACE」にかけ、反戦デモなどに活用された歴史がある。いちサッカー選手が平和を背番号で追求する発想そのものが珍しい。英語とスペイン語圏のスタッフに、その願いが理解できるか確認した上で、2番を背負う決意をしたというから驚きだ。14日の契約直後、クラブ公式ツイッターでスペイン語で自己紹介。この時から左手でピースサインをつくっていた。

 背番号と同じようにパチューカを選んだ理由も明確にした。「ちょっと、自分の最近の守りの姿勢に腹が立っていた。もっと面白い、刺激的な挑戦が自分には合っているのに、守りに入ろうとする自分がいた。メキシコは刺激的なニューチャレンジ。そう自分自身と自問自答していました」。

 「集大成」と位置付ける来年のW杯ロシア大会に向け、まずこの1年だけに集中する。「チームでリーグを勝ちたい、クラブW杯でも勝ちたい。大会は全部勝ちたい。自分が出た試合は全部勝ちたいという気持ちで挑みたい。それを実現させたい」。貪欲に、世界平和もすべてメキシコから成し遂げる決意で取りかかる。