メキシコ1部リーグのパチューカと契約した日本代表FW本田圭佑(31)は、新天地で背番号2を背負って、世界平和を追い求める。

 2番は、本田が空き番号から選んだ。本来DFが背負うことの多い若い番号。理由を会見で「世界平和へのあこがれをずっと抱いている部分がある。2はそのままピース(サイン)。意味をつなげました」と説明した。自身のツイッターにも「2=Peace=平和」とつづった。

 本田は新天地パチューカでも精力的に動いている。20日には、就労ビザ取得のため近隣のエルサルバドルに飛んだ。手続きの合間にずっと続けている子どもたちに夢を与える活動の一環として、プロを目指すサッカー少年たちを訪ねて激励し触れ合った。日帰りの強行日程。深夜にパチューカを出て、約24時間後に戻るという強行軍だったが、構わず組み込んだ。

 本田がプロデュースするサッカースクールの「ソルティーロ ファミリア」でもサッカー支援プロジェクトを実施し、動いている。本田がエルサルバドルを訪れたタイミングとほぼ同時に、スタッフやコーチが日本で集めた約400キログラムものサッカー用品を、カンボジアに渡って届け、サッカー教室も行った。

 この模様は同行したスタッフがツイッター(ソルティーロ広報日記@SOLTILO_PR)で細かくリポートしている。同スクールはカンボジアでも2校を運営しており縁が深い。周囲の理解と協力もあり、実現した。

 こういった活動が、世界平和に結び付くかどうかは、だれも分からない。ただ、どんな小さい1歩でも、前に踏み出さなくては、実現の可能性はない。

 本田は背番号の意味を説いたツイートにこうも書いた。

 「どんなに不可能に近くても理想は捨てたらいかんでしょ。」

 このつぶやきは、そのまま本田のサッカー選手としての歩みにも重なる。メキシコからW杯優勝を目指し、世界平和を願って戦い続ける。

 本田の思いとエネルギーは身近なスクールのスタッフらにも波及し、世界中にじわじわ広がっている。【サッカー担当=八反誠】