スペインリーグは18日(日本時間19日)に開幕、MF柴崎岳(25)が新加入したヘタフェは20日(同21日)にビルバオと、MF乾貴士(29)のエイバルは21日(同22日)にマラガと対戦する。ブラジル代表FWネイマールのバルセロナ退団は、スペインサッカー界全体に衝撃を与え、その余波の中での新シーズンとなる。

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 優勝候補筆頭は昨季覇者Rマドリードとライバルであるバルセロナの2強であることは変わらない。

 レアルはスーパーサブのモラタやハメス・ロドリゲスが退団したものの、ロナルドらチームの根幹となる選手は残留。しっかり戦力をキープしているだけでなく、イスコ、アセンシオといった次代のスペイン代表を担う選手たちが成長し、激しい定位置争いがチーム力を底上げする。スター選手が集まるロッカールームをまとめるのは困難だが、サッカー史に名前を残す選手であったジダン監督が、選手たちとの対話を重視しながらローテーションを使うことで長いシーズンを乗り切り、連覇を狙う。

 バルセロナはネイマールの退団、昨季までビルバオを率いていたバルベルデ監督が就任とチームの改編期に入った。メッシ、スアレスの南米2トップをはじめ、攻守にメンバーはそろっており、十分に覇権奪回をする力はある。ネイマールの抜けた穴を苦戦している補強で埋めるのか、デウロフェウら生え抜き選手が台頭するのか、凝り固まっていたチームにどんな新たな息吹が注がれるか。

 乾のエイバル、柴崎のヘタフェと日本選手が所属する両チームは1部残留をかけた戦いに。注目の直接対決は第15節にヘタフェ、第34節にエイバルで行われる。

 エイバルはルジューヌ、ルナら昨季の守備のキープレーヤーが退団した。前線からプレスをかけるメンディリバル監督のサッカーのコンセプトをどれだけ早く吸収するかが鍵で、前線の選手がいかに得点を決めそのサポートができるか重要。昨季3得点で終わった乾にも得点量産が期待される。

 昇格組のヘタフェは12人の大量補強と文字通りゼロからのスタート。チームとしての完成度をいかに高められるかが大きな要素となる。強さのモリーナ、速さのアマスと個性ある選手が前線におり、柴崎にはチームの頭脳としてのパフォーマンスが求められる。

 上記のチームの他にも闘将シメオネ率いるAマドリードやマルセリーノ監督のもとで再建を図るバレンシア、マンチェスターCと提携関係にあるジローナなど、レアルとバルサの2強に一泡吹かせようと息巻くチームが並ぶ。新シーズンはどのようなドラマを見せてくれるのだろうか。(山本孔一通信員)