RマドリードがFWアセンシオ、FWベンゼマのゴールでバルセロナに勝利した。2戦合計5-1で10回目のスペインスーパー杯優勝を果たし、今シーズン2つ目のタイトルを獲得した。

 Rマドリードの横綱相撲だった。大黒柱のFWロナルドが出場停止だったが、新進気鋭のアセンシオがポルトガル人FWの穴を感じさせないパフォーマンスを見せた。開始4分、クリアボールを拾ったスペイン代表MFが中央25mの位置から左足を振り抜くとドライブのかかった弾道はバルセロナGKシュテーゲンになにもさせずにネットに吸込まれた。

 この日、ジダン監督はMFイスコ、MFカゼミーロと第1戦のカンプ・ノウでの勝利の立役者である中盤の2人を外してMFルーカス・バスケス、MFコバチッチを投入。第1戦でメッシを封じたクロアチア代表MFはバルセロナの攻撃の芽を狩り続け、下部組織出身FWは33分に左ポスト直撃弾を放った。

 バルセロナのバルベルデ監督は3-5-2布陣でRマドリードの中盤に自由にボールを持たせないことを目指すものの、ホームチームの速いパス回しを止めることができず、攻撃もメッシの突破頼みだけで、FWナバスは相手を脅かすことができずにいた。

 Rマドリードのユニホーム姿がチラホラと気になったカンプ・ノウと違い、真っ白なユニホームに包まれたスタンドに後押しされたマドリードは前半39分、DFマルセロの左グラウンダーのクロスをベンゼマがワントラップからのボレーでネットを揺らし、2-0。スペインスーパーカップをほぼ手中に収めた。

 一矢報いたいバルセロナは後半、DFピケに代えてDFセメドを投入し、4-4-2にシステムを変更。直後の52分、メッシが決定的なシュートを放つがバーを直撃する。また、Rマドリードがリズムを落としたことから後半25分にはMFセルジ・ロベルトがGKとの1対1のチャンスをつかむが相手GKナバスがセーブし、FWスアレスがセカンドボールを無人のゴールにヘディングを放つもののポストを直撃と、ゴールを奪うことが出来なかった。

 後半30分、ジダン監督はアセンシオに代えてFWテオ、80分にMFクロースに代えてMFセバージョスと今季チームに加入した次世代の選手たちをピッチに送り出すなど、Rマドリードは余裕を持って試合終了の笛がなるのを待ち、スタンドも「カンペオーネス(王者)、カンペオーネス」と勝者の歌を歌い、席で跳びはねると文字通りにスタジアムが揺れた。欧州チャンピオンズリーグ予備選があったことから23時開始と遅い時間に始まった試合、バルセロナにとっては悪夢、そしてRマドリードにとっては魔法のような夜となった。

 また1つタイトルを手にしたジダン監督は「自分たちが達成してきたことは選手たちの働きにふさわしいものだ。タレントあるチームだが、それだけでなく真摯(しんし)にサッカーに取り組んでいるから成功を手にしている。この2つのタイトルは2つの強豪相手からのものであり、決して簡単なものではない。タイトル獲得の裏には多くの熱意がある。このチームは勝利への飢えを持ち続けている」などとコメント。先制点を挙げたアセンシオは「カンプ・ノウでのゴールは良かったけど、このゴールもね。前のゴールの方がドリブルをしながらだったからより難しかった」と話した。

 一方、敗れたバルセロナのピケは「9年間で初めてマドリードに劣っていると感じた。マドリードは前線からプレスを掛けてきて序盤から自分たちを上回った」と脱帽。今シーズンを占う一戦で、スペイン2強の現状は旗幟(きし)鮮明となった。(山本孔一通信員)