パチューカの日本代表FW本田圭佑(31)が待望のメキシコデビューを自身のゴールで祝った。ホームのベラクルス戦で加入後初めてベンチ入りし後半12分に途中出場。トップ下に入り、同27分に左足で約30メートルの鮮やかなミドルシュートを決めた。チームも4-1でリーグ3連勝。右太もも肉離れで約1カ月も大きく出遅れたが、今日24日のW杯アジア最終予選の日本代表メンバー発表前日にビシッと結果を出し、新天地で衝撃的スタートを切った。

 メキシコよ、初めまして。いや、お待たせしました-。パチューカの本田がけがで1カ月も遅れたデビュー戦で、1発回答した。後半27分に左足で約30メートル先の対角線上、右サイドネットに蹴り込んだ。舌を出し、両手で背中の背番号「02」を誇った。「ファーストステップとしては結果も残せた。冷静に受け止めたい」。注目度の高さから設定された一選手としては異例の会見ではこう言ったが、ゴール直後のテンションはアゲアゲだった。

 後半12分にピッチへ。日の丸も揺れ、多くのサポーターに大歓声で迎えられた。直後の決定機、ヘディングシュートは外したがこれでめげない。悲観せずいつも前向きに-。けが人が出て10人と数的不利になった状況を逆手に取り、カウンターからガツンと決めた。

 期待されながら、けがで出遅れた。回復に手間取り、実戦は6月の日本代表のイラク戦以来71日ぶりだった。昨季はACミランでもずっと控え。代表でも定位置を失った。精神的に強く、たくましいように映るが、実際はそうでもない。「僕は毎日妥協しています」とも言う。ただ、試合で表現する場がなくなっても、めげずにいられた理由がある。それは、自分に問いかけ続けることだった。