ドイツ1部アウクスブルクからデュッセルドルフへ移籍したFW宇佐美貴史(25)が、デビュー戦で初ゴールを決めた。後半29分から途中出場。1-2の同39分に相手DFのクリアボールを直接、右足のアウトサイドで合わせた。豪快な同点ゴールで、その後、チームは勝ち越し。見事に勝利に貢献した。

 この日は右MFとして出場。FWや左サイド、トップ下が主戦場の宇佐美にとっては慣れない位置となったが「練習から右をやったり左をやったり、って感じで。昨日も監督と話をして『右、左の両方をできるだろ?』と聞かれた。(右でも左でも)どっちでも準備はできていた。右からクロスを上げる練習とかもしていたし、割とすんなりとは入れたかな」と、適応能力の高さを見せた。

 決意の移籍だった。日本代表はW杯ロシア大会の出場を決めたものの、メンバーに宇佐美の姿はなかった。ハリルジャパン初期から代表の常連で、ハリルホジッチ監督からも期待されていた。だが、昨夏に移籍したアウクスブルクで出場機会に恵まれず、昨シーズンは11試合無得点。今年に入っても序列を上げることはできなかった。8月下旬、移籍市場の終盤で、新天地へ移ることを決めた。

 「こういう(2部)リーグ、チームに来て、だからこそできる成長もかなり多くあると思う。それを感じたから、こういうリーグに来られたし、W杯に出るために、日の丸を背負ってロシアに行くために、というところを本当に意識して出した決断。1個下の(2部)リーグを選んだところに、自分の決断の強さ、思いの強さが出ているのかな、と自分自身も思う。ここからJリーグに戻って、見込める成長よりも、ヨーロッパに残って見込める成長のほうが大きい気がしたし、そこで得た成長でW杯にもし行けたら、十分戦えると思ったので。全てはW杯を意識しての決断」

 W杯まで残り9カ月。宇佐美の挑戦はここからだ。