ヘタフェMF柴崎岳(25)が、バルセロナ戦でスペイン1部初ゴールを決めた。前半39分に左足でのボレー弾だった。試合は1-2で敗れたが、バルサから日本選手がゴールを奪ったのは昨季のエイバルMF乾貴士(29)に続き2人目。柴崎は昨年のクラブW杯決勝のRマドリード戦で2得点しており、スペインの2強から得点を挙げた初めての日本選手となった。地元紙には絶賛の言葉が並んだ。

 柴崎が再び大舞台での強さを見せた。昨年12月にレアルから2得点を挙げて欧州へのチケットを手にし、この日はレアルと並ぶ世界の強豪バルセロナからゴールを決めた。

 前半39分、FKのこぼれ球から味方が頭で落としたボールに、左足をダイレクトで振り抜いた。美しくも強烈な弾道を描いた球は、ドイツ代表GKテアステーゲンの手が届かないゴール右隅に突き刺さった。

 普段は派手なパフォーマンスをしない柴崎が両手を広げ、飛行機ポーズで仲間と喜びを分かち合った。

 この素晴らしいゴールに相手GKも「ガクを祝福しないとね。ファインゴールをたたき込まれた」と白旗を上げた。スペイン紙マルカは「高性能な左足。芸術的な仕事を見せた」、ムンド・デポルティボ紙は「星。バルサにとってその質と知性あるプレーは迷惑なものだった」と高く評価し、スポルト紙は「未確認飛行物体(UFO)のよう」と表現した。

 バルサにとっては今季リーグ戦4試合目で初失点。昨季最後の失点は最終節に乾に2点奪われたもので「日本選手が連続してバルサから得点を決めた」とアス紙は伝えた。

 ただ、柴崎は後半5分に左足を痛め、同9分に「ガク・コール」と拍手に送られてピッチを退いた。主役を欠いたヘタフェはここから逆転負け。左足の症状は検査を待たないと不明というが、柴崎が世界のトップと戦えるサムライだと証明したことは間違いない。(山本孔一通信員)