フローニンゲンの日本代表MF堂安律(20)が1トップで先発した。主に右MFを務めてきたが、得点力の高さを期待されて起用。後半途中からはトップ下に位置を変更。相手の脅威となるドリブルを見せ好機も演出したが、フル出場でシュート0本に終わった。チームは敗れて、公式戦6戦で1分け5敗と苦境に立たされた。

G大阪時代は2トップの一角を務めたこともあったが、この日の1トップ起用については「個人的には、どこでもやってやろうという気持ちでやっている。だけど、俺を1トップで置くんだったら置くなりの戦術が必要だと思う。難しい展開になった」と不完全燃焼だった様子。

チームの中心的存在であるため、2年目の今季はマークが厳しくなる。体を張ったプレーを見せるも、無得点に終わり「最前列にいたので、削りに来るのは分かっていた。チームは良くもなかったが悪くもなかった。耐えきれないのがチーム事情の悪さ。少し集中すべきところ」と反省した。

トップ下に入ってからは流れも変わった。試合をつくる持ち味を見せつつ「(代わりに1トップに入った)マヒが(前に)引っ張ってくれたから、トップ下の自分のところが空いていた。こういう悪い時期を、余計に大事にして過ごしたい」。

チームの低迷は、堂安自身にとっても乗り越えるべき壁。9月に続いて日本代表にも選出され、成長過程でもがいている。

「去年は良いシーズンを過ごす事ができた。今年最初は、少し踏みとどまるところであるので、こういう時期を大事にしたい。良い時ばかりじゃないし、こういう時期を乗り越えたい。また、代表もある。代表で気持ちよくプレーしたい」

9月、大阪での代表戦では右MFで先発。東京五輪世代では一番乗りでA代表デビューを果たした。ピッチ上では最年少だったが、堂安にとってはサバイバルの場所だ。

「僕にとってはアピールの場なので、生半可な気持ちで代表に行く気はありません。ここよりも一層激しいサバイバルの場に行きますので、もっとピリピリした雰囲気で練習しなくちゃいけない。だけど日本語をしゃべれますし、日本食を食べられるので、そういうことでリフレッシュしながら。10日間ぐらいですけれど、また一回り大きくなって帰ってきたい」

責任感の強い20歳は、今回の代表戦でA代表初ゴールを目指す。