オーストラリアAリーグの強豪メルボルン・ビクトリーMF本田圭佑(32)が開幕戦でデビュー弾を決めた。強豪メルボルン・シティーとの注目のダービーにキャプテンマークを巻いて中盤で先発。前半28分にクロスを頭で決めた。2年後の東京オリンピック(五輪)に、年齢制限外のオーバーエージ(OA)枠で出場しての金メダル獲得を目標に掲げ現役続行。チームは1-2で敗れたが、衝撃のデビューを果たし第1歩を踏み出した。

本田がいきなり決めた。背番号4、左腕に黄色いキャプテンマークを巻き先頭で入場した開幕戦。ダイヤモンド形の中盤右で先発した。前半28分にその右サイドからの展開でゴール前に走り込み金髪の頭で競り勝って決めた。強烈なあいさつ代わりの開幕弾。しかし、逆転負けに「得点できたうれしさよりも、勝てなかった残念さの方が大きい」と言った。

やり切ったワールドカップ・ロシア大会で日本代表(A代表)には区切りをつけた。1度燃え尽きかけたが、自国開催の東京五輪での金メダルをぶち上げ、南半球の強豪へ。年俸はクラブ史上最高の360万ドル(約3億9600万円)。リーグが定める年俸制限のない「マーキープレーヤー」という特別枠。この日もリーグがツイッターで日本語の試合告知、試合の動画配信などを案内する力の入れよう。クラブにはカンボジア代表の実質的な監督も務めることも許可してもらった。まさに特別待遇。その価値があることを、いきなりゴールで証明した。

ポジションは中盤に下がった。理想はもう1つ後ろのアンカーだが、これも東京五輪OA枠を見据えて、自ら望んだもの。チーム事情優先で開幕戦は中盤右に落ち着いたが、今までより深い位置からでも得点する勝負強さには、磨きがかかっている。

自身のSNSに会場に向かう動画を投稿。「ポジションが中盤になることで、今までの攻撃のポジション以上にゲームはコントロールできる。数字的な目標は、今までは得点、アシストでしたけど、今シーズンは初めて勝ち点にしようかなと。チームの歴代の(最多)勝ち点53以上を目指して、長いシーズンやっていきたい」と決意を述べていた。衝撃デビュー弾も、勝ち点“0からのスタート”で、東京五輪への第1歩を踏み出した。