フローニンゲンMF堂安律(20)が技ありシュートで開幕戦以来の今季2点目を挙げた。

1-0の前半29分、ペナルティーエリア内での浮き球を相手DFを背負いながら正確にトラップし、反転して素早い振りの左足ボレーで決めた。高い技術に加え、フィジカルの強さも発揮。「体の預け方がうまかった。後ろにDFがいたのも感じながら。そこからはイメージ。技術というより、ここに置いて振るというイメージが頭の中にあったので、ストライカーになったような気分だった」。自賛した背番号7のスーパーゴールでチームも勢いづき、4-2で8試合ぶりの勝利。不動の右MFは終了間際までプレーして攻守で存在感を発揮した。

試合前、バイス監督から「お前のクオリティーを俺に見せてくれ」とハッパを掛けられたという。ゴールに加え、ドリブルでも何度も好機を演出。「見せてやりましたよ、という感じです」とニヤリと笑い「今日はなぜか、ドリブルが止められる気がしなかった」と胸を張った。

日本代表に選出され、初ゴールを挙げるなど自身は順調だったが、チームは苦境に立たされていた。「勝つことが、こんなに難しいということは今まであまり経験しなかった」。主力の堂安は20歳ながら引っ張っていかなければいけない立場。「俺と(FW)マヒがチームに自信を付けさせないといけない。正直、自信のない選手が多いので、俺とマヒで『俺らは出来る』というのを見せてから、後半も良くなった。俺とマヒはそういう話を試合前にずっとずっとしていた」という。

チーム全体に目を配る中、自分自身の成長も実感できている。今、相手と対戦する時に「楽しい」と感じるという。「相手の考えが分かるようになってきた。『削りに来る』『飛び込みに来る』『ああ、こいつ待とうとしてるなあ』とか。相手が待とうとしたらボールを運べるし、相手が飛び込んで来たらはがしに行ける。相手の先の先まで読めるような余裕を今は持てている」。欧州移籍2シーズン目で堂安は急激な成長曲線を描いている。