ロペテギ監督の解任後、初のホーム戦となったレアル・マドリードが辛くも、リーグ戦6試合ぶりの白星を挙げた。

セカンドチームのソラリ監督が昇格して暫定的に指揮する新体制。前半は再三のチャンスをものにできず、カウンターに脅かされ、ハーフタイムにはブーイングが発生。後半10分すぎからベンゼマ、カゼミロの立て続けのシュート、その後のCKからのベイルのシュートと3連続の好機でも得点できなかった。

流れを変えたのは3人目の交代で入ったブラジル出身の18歳、ビニシウス。38分にドリブルでペナルティーエリア内に切り込み「ボールを持った時からゴールだけを考えた。1、2、3と数えて強く蹴ったよ」と右足でシュートを放った。コースは全くゴールの枠を捉えていなかったが、DFに当たってネットを揺らした。さらに43分にはベンゼマが得たPKをセルヒオラモスが落ち着いてチップキックで決めた。

終わってみれば2-0と順当な結果だったが、収穫はビニシウスの得点につながるパフォーマンスだけと合格点を与えるには厳しい内容。ソラリ監督のコメントに歯切れの良さはなし。「勝利が必要だった。苦しい時は簡単に勝つことはできない。とてもハードな相手に頑張った試合で、厳しいものだったが、最後まで自分たちは戦い続けた」。直前のスペイン国王杯4回戦から新体制で公式戦連勝となったが、レアルを包むネガティブな雰囲気を解消するものとは言えなかった。(山本孔一通信員)