DF植田直通が所属するセルクル・ブリュージュはムスクロンに2-1で逆転勝ちした。

植田は4試合連続のフル出場で、4試合ぶりの勝利に貢献。レギュラーに定着した。チームはこれで4勝4分け6敗となった。

相手エースFWピロのマークを任された前半3分、そのピロからパスがはたかれると読んで瞬時にマークを変え、読み通りに来たボールにうまく体を入れてゴールキックに逃れた。この駆け引きで優位に立つと、その後はピロに前を迎えることはなかった。

0-1で迎えた後半16分から、選手交代によるシステム変更で右サイドバックを務めると、同点に追いついて迎えた後半44分、攻撃参加した植田がCKを奪い、これが決勝ゴールにつながった。

 

植田との一問一答は以下の通り。

 

-オウンゴールの失点のまま、試合が進んでしまっていた。

植田 順位的(前節まで12位)にも負けられない試合でしたし、相手が先に10人になったし、難しい試合になるとは分かってましたが、こういう試合をモノにできたことは大きいと思います。

-4試合連続の先発。しっかりレギュラーの座をつかんだ

植田 やっと、自分がやりたいようにやれてきました。チームのやり方も少し変わったんです。鹿島でやっていたようなやり方に変わりました。それが自分に一番合っていると思いますので、いい方向にいってるんじゃないかと思います。

-「鹿島のやり方」とは

植田 今までは「センターバック(CB)は外に出るな」と言われていましたが、そこを突かれる場面が多かったので、CBが外まで出て行ってマークを付いてもいいとなった。鹿島時代から、僕はマンツーマンでバチバチやっていた。ボールを奪い切って攻撃につなげるという部分が、僕の持ち味。そういう守備を「やっていい」と言われたので、それが今、楽しくって。

-19番の選手がけがしてから、植田選手がCBに定着した。いろいろな選手とコンビを組んでいるが、ここ4試合、ずっとCBです

植田 いろいろな選手とやりましたけど、それは僕の成長にもつながると思います。そこはポジティブにやってました。

-今日は右サイドバックも務めた

植田 それはびっくりしました(笑い)。今サイドバックはけが人が多くて、なかなかいないので、そういうシチュエーションもあると思います。その後、得点も入って勝てましたので、良かったと思います。

-決勝ゴールは、植田選手が攻撃参加して、クロスをヒールで当てて奪ったCKからだった

植田 そうです。誰も触らなければ僕が得点を決めることができると思いましたが、僕がCKを奪えたんで、まあ、良しと(笑い)。

-相手は15位。ここで負けると残留争いに巻き込まれる可能性もあった

植田 そうです。だから、みんな本当に気合が入ってました。「負けられない」。そう言ってました。前回もオイペンにロスタイムで劇的にやられて負けてしまった。「今日は本当に負けられない試合だ」と言っていましたので、結果として勝つことができて本当に良かったです。

-後半のパフォーマンスを見ていると、焦りはありましたか?

植田 攻撃陣がちょっと焦ってるなぁと思いました。アントワープとやった時も、こういうシチュエーションがあって、10人の相手に対して1つ隙を突かれて0-1で負けました。その教訓じゃないですが、今日は2点を取り返すことができましたので、そこは良しと思う。結果が全てだと思いますので、結果が出てよかったです。

-これで下位に巻き込まれないことと同時に、上位を見ることができる

植田 上が混戦ですので、連勝でもすれば上位に行けます。そんなに簡単な試合はありません。自分たちが圧倒する試合はそんなにないと思うので、隙を見せるのではなく、隙を突いていければと思います。

-14節が終わりました。ほぼレギュラーシーズンの半分です。ここまで10試合に出ましたが、振り返って

植田 こっちのやり方が、僕の体に染みついてきてます。それが本当に大きい。こっちのやり方を体にたたき込むというのが、僕が最初にやらないといけなかったこと。それができたからこそ今、試合に出られていると思います。それを継続することプラス、僕の持ち味をもっと出していきたい。

-クラブ・ブリュージュとのダービーでは、ベンチから外れた。CBで1度ベンチから外れるとなかなか挽回するのは大変。けがかもと思い、監督に聞きに行くと「ベルギーのルールで仕方がなかった。6人はベルギーで育った選手を入れないといけないから、今回は植田に外れてもらった」と申し訳なさそうだった

植田 練習中も、ずっと言われてました。「今回はごめんな」って。それは仕方ないんですが、ダービーだったので僕も出たかったですが、次ですよ。次はホームなので。(スタジアムは同じなので)あんまり変わらないと思いますが。この間、欧州CLのクラブ・ブリュージュ対モナコを見に行ったんですが、うちの試合では考えられないぐらい、人が入ってました。「こんな中でやりたいな」とは思いましたね。

-ダービーのベンチ外は、今はこうして笑っていますが、複雑な思いがありましたか?

植田 みんな「(クラブ・ブリュージュは)強い」と言っていますし、出たかった。でも、そんなにネガティブに考えていないです。もう今が全てだと思います。こうして今、試合に出ていることが幸せだと思ってます。これに甘んじず、僕はいろいろ継続してやっていきたいし、チームを引っ張っていきたい。

-今、冨安選手が注目されていますが、植田もここにあり! と

植田 みんなに植田のことが忘れられているかもしれない(笑い)。試合に出れば、僕は負けない自信があります。そこまでの過程が大事だと思いますので、僕はここでしっかり結果を出し続けて、また(日本代表に)呼ばれれば「自分がレギュラーだ」という気持ちを見せていきたいです。