ユベントスに所属するポルトガル代表FWクリスティアノ・ロナウド(33)は、2006年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会準々決勝のイングランド戦で、当時マンチェスター・ユナイテッドで同僚だったイングランド代表FWルーニーを退場に追い込んだことで世界中から批判を受けたが、ルーニーの言葉が助けになったことを明かしたと、3日付の英紙デーリーメール電子版が報じた。

事件が起きたのは、後半17分だった。ルーニーがポルトガル代表DFカルバリョを踏みつけた時、ロナウドが主審に猛抗議。主審がルーニーにレッドカードを提示した。この直後にロナウドはウインクしたことが映像で映し出され、世界中で大きな反感を買った。また、世界中のメディアからも「ロナウドがチームメートを退場に追い込んだ」など、ロナウドに対する批判的な報道が相次いだ。

ロナウドは当時のことについて「自分がやったことに後悔はない。自分の国のためにプレーしたからね。何も悪いことはしていない」と、自国の勝利のために正しいことをしたと主張した。だが、ウインクについては「それはルーニーが退場したからした訳ではない。他の事でしたんだ」とコメント。当時、ルーニーを退場に追い込んでウインクをしたと報じられていたことを否定した。

0-0からのPK戦で3-1で勝ち、イングランドを敗退に追い込んだこともあり、W杯後、所属先であるイングランドへ戻ることに恐怖を感じていたという。「(イングランドに)戻るのが怖かった。それはルーニーが怖かったのではなく、イングランドのサポーターが怖かった」と怖がった相手は、退場へ追い込んだルーニーではなかったことを明かした。

また、マンチェスターへ戻った時にルーニーとチャットをしたという。「自分たちは、まだ友人だったよ、当時の出来事についても話した、彼は(退場に追い込んだ)僕の行動に理解を示してくれたんだ」と、ルーニーの言葉に救われたことを明かした。さらに「ルーニーがあらゆる状況で僕を助けてくれたんだ。彼は『クリスティアノ、これは過去の話だ。今について話そう。一緒にトロフィーを獲得しよう』と言ってくれたんだ」と感謝した。

直後のシーズン、攻撃陣の柱としてルーニーとともに4季ぶりのリーグ優勝を果たした。さらに翌シーズンでは悲願だった欧州CL制覇とリーグ連覇を達成し、自身初のバロンドールを獲得。名実とともに世界最高のプレーヤーとなり、09年夏にRマドリードへ移籍した。