2016年欧州選手権と18年W杯の出場権を逃したオランダが、ロナルド・クーマン監督の下、復活を遂げた。14年W杯王者ドイツから試合終盤に2得点を奪い、引き分けに持ち込み決勝トーナメント進出が確定。18年W杯王者フランスと勝ち点7で並び、直接対決の得失点差で1位となった。

新旧W杯王者と同組のこれ以上ないほど厳しいグループに入ったが、最終戦となったドイツ戦でクーマン監督の采配が的中した。試合終盤に主将を務める193センチの長身センターバックであるファンダイクをセンターフォワードに置いてパワープレーを敢行。1-2の後半45分に右クロスからファンダイクが決めて追いつき、決勝T進出に必要だった勝ち点1を獲得した。

ファンダイクのフォワード起用はあらかじめ用意されていたプランだったと、19日付の英紙デーリーメール電子版が報じた。試合後にメモが落ちており、その中にはファンダイクとデヨング(188センチ)のツインタワーを採用するフォーメーションが記されていた。試合開始は4-2-3-1の布陣だったが、手紙には3-2-3-2と余り見られないフォーメーションで、全員の名前まで記されていた。

試合後、クーマン監督は「(アシスタントコーチの)ドワイト・ローデベーヘスから手紙を受け取った。だが、そこに記されていたことは知らなかった」とコメント。さらに「試合について。ドワイトや(アシスタントコーチの)ファン・ウォンデレンとさまざまなシナリオを考えた。最終局面で何かをする必要があった」と多くの議論が存在したという。

前半19分までに2点を奪われたが、ファンダイクをトップに上げる作戦について「0-2となった時に(2トップ案をすることは)ノーと答えた。今はそれをする時ではない。0-4や0-5になる可能性があったからだ」と、最初は採用されなかった。だが「1-2になった時にやりたかった」と、1点差になった後半40分からようやくプランが成立したことを明かした。

最終的に、プランが完遂された形で突破した。世界最高クラス相手の「死の組」を勝ち抜き、強豪復活を強烈にアピールした。