フローニンゲンの日本代表MF堂安律(20)が、1ゴール1アシストで4得点に絡む大活躍を見せた。

前半6分、堂安は右サイドへスピードが乗ったピンポイントクロスを入れ、これをFWマヒが左足でボレーシュート。開始早々から先制点をアシストし、攻撃に勢いをつけた。だが、NACに勝ち越しを許してしまい、1点を追う後半13分、堂安の縦パスが起点となり、味方の右サイド突破から、低いクロスが上がると、こぼれ球を堂安が決めて同点とした。今季4点目でフローニンゲンに流れが傾いた。

後半31分には勝ち越し点の起点となった。スルーパスで好機を演出。FWマヒからDFゼーファウクが決めた。終盤にも浮き球スルーパスをFWマヒに通し、マヒがGKとの1対1を1度は止められるもゴール。堂安は4得点に絡む大暴れで「まあ、楽勝(笑い)」と冗談交じりに話し「チームとして自分を中心にやらせてくれているし『何とか律に(ボールを)渡せ』という雰囲気がある。本当に信頼されているし、応えないといけない」とエースとしての責任感を示した。

課題を克服した。堂安の持ち味はドリブルやパスだけでなく、力強いシュート。左足で観客を沸かせるスーパーゴールを何度も決めてきたが、欧州ではそれだけでは通用しない。昨季はリーグ戦9ゴール。2桁得点に届かなかった理由はワンタッチの泥臭いゴールが少なかったからだと分析していた。この日の得点は、自身のパスからゴール前まで走って詰め、こぼれ球を決めた形。真摯(しんし)に課題に向き合ってきたからこそ生まれたゴールだ。

「自分が組み立てて最後に仕留めるというゴールが、今日はできた。エクセルシオール戦のゴールも、この前のヘーレンフェーン戦もちょっと個人技によるゴールが多かった。ずっと前から『ワンタッチゴールを決めないといけない』と言ってきた上で、今日のゴールというのはすごく自信になる。良いゴールだったと、自分自身で思っている」

今冬の移籍についても言及。クラブは慰留に尽くすと思われ「フローニンゲンから必要とされるのはうれしいこと。ただ、自分自身、ステップアップしたい気持ちも強い。そこは考えながらプレーしたい」とし「でも今はフローニンゲンの選手なんで、いらんことを考えずにプレーしている」と断言した。来年1月のアジア杯まで、乗っている堂安は絶好調を維持しそうだ。