シントトロイデンの日本代表DF冨安健洋(20)は、196センチ、94キロの巨漢FWウラレとのマッチアップに臨機応変の対応を見せて封じ込めた。

日本代表の森保監督が視察に訪れた試合で、20歳の若者が柔軟な対応で、「ベルギーリーグでも1番強くて、デカイんじゃないか」と話す大型FWをシャットアウトした。

3バックの右で先発し、ファーストコンタクトでは空中戦で圧倒され「ちょっとビックリした。普通にやっても勝てないと思った」と厳しいスタートとなった。だが、ここから思考を変える。真っ向から当たらずに、積極的にウラレの前に出てインターセプトや、トラップ際を狙ってボールを奪うやり方に変更。その後はウラレを完璧に封じ込めた。試合後に「体を当てるタイミングをズラしたりとか。相手の前でカットする回数は多かったと思う」とコメント。ベテランような立ち回りを見せ、森保監督にアピールした。

後半は「僕の方に来なかったので」と、ウラレが冨安とのマッチアップを避ける形となった。前半しか戦っていないが「ああいった選手とやるのも経験になると思う」。自身も188センチと大型だが、8センチも長身で、体重では16キロ(冨安は78キロ)も上回る相手との対戦で輝きを放った。冨安とのマッチアップを避けたウラレは後半に1得点を挙げている。

完璧なパフォーマンスを示したかに見えたが「相手の前でカットする回数は多かったと思いますが、その分、後ろ(のスペース)が空いているわけですし。要はたまたま(ボールがウラレの)前に来ただけかもしれません。そういうポジショニングはバランスですが、考えながらやらないといけない」と慢心せず。今回のウラレとの対戦では、自分の考えたような展開で抑えられただけだと主張。喜ぶそぶりはしなかった。

森保監督が見守る中、1月に開催されるアジア杯のメンバー入りへ向けて好プレーを見せた。「選んでもらうことが出来れば、まずはピッチに立てるように練習からアピールしたいと思います。チャレンジャーという気持ちを忘れずにやりたいとなと思います」。南野拓実(ザルツブルク)、中島翔哉(ポルティモネンセ)、堂安律(フローニンゲン)の攻撃陣3人に注目が集まる日本代表。守備陣の中でも冨安が確実な成長を遂げている。