マンチェスターUのU-18イングランド代表FWメイソン・グリーンウッド(17)が、FAユース杯でチェルシー相手にハットトリックを達成し、ふがいないトップチームとは対照的に明るい話題を提供した。

10月1日にプロ契約を結んだグリーンウッドは、18歳以下が対象の大会で強豪チェルシーから3ゴールを挙げて、4-3の勝利に導いた。前半8分、相手GKのミスを見逃さず右足で先制点を決めると、1-1の後半1分にはまたぎフェイントから右足で冷静にゴール右に流し込み2点目。3-1の後半34分にはスピードで相手をかわし、左足でゴール右に決めてハットトリックを達成。指を3本立ててハットトリックを喜んだ。

この試合、トップチームのコーチを務めるキャリック氏や、ウッドワードCEOらが観戦したが、モウリーニョ監督は訪れず。19試合22得点の若きスターの活躍を生で見ることができなかった。

モウリーニョ監督にとって、若手を起用する余裕などないのかもしれない。16日に行われた敵地アンフィールドでリバプールとの「ナショナル・ダービー」では完膚なきまでにたたきのめされ、1-3と屈辱的な敗戦を喫し、リーグ戦では首位リバプールとの勝ち点差が17節終了時点ですでに「19」をつけられ、優勝争いどころか、トップ4入りすら厳しい状況。自身のクビも含め、予断を許さない状況が続いている。

リバプールとのチーム成熟度は天と地ほどの差を感じる試合となった。また、選手個人の能力にも差がある。果たして、リバプールから見て、マンチェスターUから獲得したい選手がいるのだろうか。リバプール戦には出場していないがDFスモーリングは右足でしかパスを出さず、精度も致命的。MFマティッチに関しては、出ずっぱりということもあり、フィルターとしての役割を果たしていない。FWルカクのファーストタッチは見るも無残な状況だ。主力のセンターライン3人がこの状況では優勝争いなどできはしない。

多くのマンチェスターUサポーターは、モウリーニョ監督の采配へ疑問を持っている。相手にボールを持たれたら、ズルズルとDFラインを下げてミドルシュートを打たせるGK任せの「戦術デヘア」と言わんばかりの戦法。ようやくボールを奪っても自陣ゴール付近。カウンターを仕掛けようにもルカクのあのトラップではどうしようもなく、すぐに奪われてまた相手ボール。これの繰り返し。今季は何度先制点を奪われる苦しい展開となったことか。

欧州CL決勝トーナメント1回戦の抽選会が行われ、幸か不幸か、優勝候補のパリサンジェルマンとの対戦となった。圧倒的にボールを握られ、不利な戦いになるのは容易に想像できる。だが、強豪相手に戦術は立てやすい。もし、勝ち進むことができたのであれば、チームの士気は大きく向上するはずだ。