サッカーの海外組の主力は、多くがUAEで開催中のアジア杯日本代表に招集されている。ただ、他にも多くの海外組が、競争の激しい本場欧州などで日々戦っている。

25日、フランスのレキップ紙に、ある日本人選手の記事が掲載された。

MF沢井直人(23)。J2東京ヴェルディから、提携するフランス2部のACアジャクシオに期限付き移籍中(期間は2018年8月17日より2019年6月30日まで)のMF。

記事のタイトルは「サワイのサプライズ」。マルセイユの酒井宏樹、ストラスブールの川島永嗣に加え、沢井も急成長中のようだ。

記事は、次のように伝えている。

「日本人MFはACアジャクシオ到着後、4カ月間目立たなかった。リーグ2(2部)の初登場までは。2018年12月21日アジャクシオの選手たちも、彼らのチームメート、ナオト・サワイのことをかろうじて知っていた程度だった。

その1カ月後、この日本人は、1カ月でリーグ2の18位から13位へと順位を上げたコルシカ島のクラブの年末年始の明るい話題となった。初めてメンバー入りしたランス戦で決定的な得点者となった(昨年12月22日、2-1)。以降、このMFは、18人のメンバーから外れなくなった。3試合連続出場し、先週初先発を果たした(対ソショー、0-0)。

2018年4月、コルシカ島の幹部の知り合いがクラブのレオン・ルシアニ会長に東京ヴェルディのことを話し、ストーリーは始まる。

日本の2部のチームは、ヨーロッパで露出するためにフランスのクラブと提携することを希望していた。

ルシアニ会長「スポーツディレクターが他の2人と一緒にやって来た。コルシカ島ではすぐに人々はいろんな想像をするので、私は彼らを人目のつく場所には招待せず、私の羊飼いの弟のところで食事をともにした」。

そして日本の2部で91試合に出場していたサワイがレンタルされた。彼は8月にACアジャクシオにやって来た。最初はユースチームに。

FWジスレン・ジンベールは言う。「彼(サワイ)が到着したことを我々は知らなかった。何回か我々と練習をしたけど、長くリザーブチームにいた。彼は不満を言うことはなく、スタジアムにはバスか自転車で来ているのを見た。しかしランス戦で、ジョアン・カバリが負傷した。多くの欠場者がいて補強が必要だった。遠征の前日、ナオトは、我々と練習をしていた。彼が変わったのが感じられた。特に言葉の面で。つまり彼はすでにほぼすらすらフランス語を話しているのがわかったんだ」。

「サワイは新鮮さをもたらしている」とルシアニ会長は強調する。ジンベールはこうも言う「彼は何か輝きを放っている。毎週末デビューして、いたるところをただただ走り回る若者もいるが、彼は全く違う。経験があって、とても賢い。技術的に正確で注意深い。おそらくフランスリーグの上のレベルでプレーをするためのクオリティーを本当に持ち合わせている。おそらくその上のレベルでプレーをするためのクオリティーを本当に持ち合わせている」

アジア杯の裏で、1人の若者が、フランスで大きなチャンスをつかもうとしていることは間違いないようだ。(松本愛香通信員)