日本代表MF原口元気(27)は、所属するハノーバーの公式サイトのインタビューでアジア杯で使用した控室を清掃して帰ったことについて「リスペクトやホスト国への感謝の表れ。アイデアはチームから出てきたもので、自分たちの文化から生まれたもの」と明かすなど、質問に答えた。

原口はアジア杯で全7試合に出場(先発は6試合)し、2得点と活躍。決勝でカタールに1-3で敗れたものの、チームの主力としてプレーした。「2位は僕らにとって負けだった。アジア王者になるのは僕らの目標だったし、日本の人たちにそれ(優勝)を期待されていたので」と悔しさを口にした。だが「(気持ちが)引きずることはない。むしろ逆にがっかりだったり、悔しさからポジティブなエネルギーをハノーバーのために引き出せるようにしたい」。敗戦を活力に変えて、今後のサッカー人生に生かすことを主張した。

決勝で戦ったカタールについて「とてもやりにくい相手だった。トーナメント前にはイランを最強の相手とみていた。そのイランに準決勝で勝った時に、優勝できると思ってしまった」と、心にスキができたという。「日本はアジアでナンバーワンに違いないと今も思っている。でもカタールは今回、勝つべくして優勝したと思う。僕らはこの敗戦を真剣に受け止めて、ここから学ばなければならない」とコメント。カタールの強さを認め、結果を受け止めた。

同杯では、清掃して帰る日本の控室に世界のメディアから称賛された。ホワイトボードにはアラビア語、英語、日本語の3カ国で「ありがとう」と書き、清掃スタッフへの感謝を伝えた。「日本では入った時よりも、きれいな状態でいつも帰るという思いがある。リスペクトやホスト国への感謝の表れです。どの国でもどんな試合の後でも、きれいにする。(この)アイデアはチームから出た案ですけど、自分たちの文化から生まれたものです」と話した。

ハノーバーはリーグ戦で最下位と厳しい状況が続いている。1月27日にライテンライター監督を解任し、新監督にドル氏が就任した。「監督交代はいつもですが、いいものではない。その時、僕がその場にいてもいなくても。選手としてこうなってしまったことに責任を感じている」と、監督解任は選手にも責任があると話した。

責任は感じているものの、決してネガティブにはならないことが重要だという。「でも、僕もチームも整理して取り組んでいかないといけない。新しい監督とはもう知り合ったし、すぐにポジティブなものを感じた。僕らをチームとしてやってこうという意思を持っている」と前向きに捉えている。

早ければ9日のニュルンベルク戦で復帰するが「僕にはちょっと(アジア杯に出場していたため)ブンデスリーガから離れていたというメリットもある。だから新鮮な風を送れるように頑張りたい」と、1部残留へ向けて意気込みを語った。

後半戦に向けての個人的な目標について聞かれると「最低でも10スコアポイント(ゴールとアシストの総数)をあげるという目標を持っている」と話す。今季リーグ戦では右ウイングバック(WB)で起用されるなど、守備を求められる位置でプレーしていることもあり、まだ無得点で、アシストは2と、思うような結果を出せていない。

それでも「それを成し遂げたいし、チームを今の困難な状況から助けたい。前半戦では右のWBでプレーしていたけど、代表だと左の前でプレーできた。だからアジア杯での方がいい数字だったと思う」と、結果を出せる自信を伺わせた。

右WBでのプレーは前監督の意向で、新監督の元では、まだプレーしていない。「また、攻撃的な位置でプレーすることをイメージしている。そうなれば、またゴールにもっと絡める可能性もあると思う。でも忘れてはいけないのは最終的に大事なのはチーム。個人的な目標じゃない」。現状での目標でもある1部残留のために、チームを最優先に考えていることを明かした。