ドイツ2部リーグで珍しいシーンがあった。相手チームのメモを拾って戦術が筒抜けになったと、5日付ビルト紙が報じた。

酒井高徳、伊藤達哉が所属するハンブルガーSVは4日、ホームにフュルトを迎えていた。問題のシーンは前半38分に起きた。ハンブルガーSVのファン・ヒチャンが負傷交代となった後、ハネス・ボルフ監督が戦術変更について書いたメモを酒井に届けた。

酒井はキャプテンのアーロン・ハントのもとに走り、指示を伝達。その後、メモを丸めてピッチ外に投げ捨てた。不運にもそこはちょうど相手ベンチ前。フュルトのアシスタントコーチ、ミヤトビッチが拾い上げると、相手の戦術に目を走らせた。自分たちの狙いが瞬時に相手にばれてしまったわけだが、幸い大きな影響を及ぼさず。1-0でハンブルガーSVが勝利し、1部昇格に向けてまた一歩近づいた。

この日決勝ゴールを決めたハントは「大事なことではないよ。賢いやり方ではなかったかもしれないけど、別にそれがどうこういう問題ではない」とコメント。ミヤトビッチについては「ピッチをきれいにしようとしてくれたんだから親切だったと思うよ」と冗談を口にしていた。

【中野吉之伴通信員】