ドルトムントは、来季に向けて5000万ユーロ(約62億5000万円)の補強費を準備し、ドイツ人の若手選手獲得を狙っていると、12日付の独紙ビルトが伝えている。

リーグ戦2位につけているドルトムントは今季、FWサンチョ(18)、DFハキミ(20)、DFアカンジ(23)、DFディアロ(22)、MFブルーンラーセン(20)ら、若手新加入選手が躍動した。ただ若返るだけではなく、全体的なチーム力アップにも貢献しているこの流れを首脳陣はさらに加速させようと動いている。

白羽の矢が立てられているのはレーバークーゼンのドイツ代表MFブラント(22)と、ヘルタのU-21ドイツ代表DFシュタルク(23)の2人だ。ブラントは21年まで、シュタルクは22年までそれぞれのクラブと契約を残しているが、どちらも今夏に固定違約金2500万ユーロ(約31億3000万円)で移籍することができる。

ブラントは後半戦8試合で10得点に関わっている。インタビューで「レーバークーゼンでもスター選手になる道があるし、クラブもその可能性を提供してくれる。一方で、別の道を探るという可能性も受け入れている」と移籍できる環境だと話した。同選手にはバイエルン・ミュンヘンも獲得を熱望しており、まだ現時点ではどんな決断を下すかは、わからない。

一方で、シュタルクはヘルタで主力DFとして活躍しており、ドイツ代表入りも間近と見られている逸材だ。シュタルクはドルトムント守備の弱点を補う存在になると伝えた。セットプレーからの失点が今季10失点と泣き所なだけに、190センチの長身DFの獲得でこの問題を解決したいと考えているようだ。とはいえ、現在ドルトムントのCBにおけるポジション争いは激しい。クラブがどこまで出場の可能性を明言できるかがカギとなりそうだ。

(中野吉之伴通信員)