多くのビッグクラブが獲得に乗り出しているフランクフルトのセルビア代表FWルカ・ヨビッチ(21)の移籍先について、父親がバルセロナへの移籍を否定したと、11日付の独紙ビルトが報じた。

今季リーグ戦で17得点を挙げて、BミュンヘンFWレバンドフスキの21得点に次ぐ得点ランキング2位につけているヨビッチに対して、バルセロナやRマドリード、Bミュンヘンなどが獲得を目指している。21歳の若者に対して移籍金は5000~6000万ユーロ(約62億5000万~75億円)と高額な金額がつけられている。

世界が注目するヨビッチの父親が、同紙のインタビューに応じた。息子の移籍について「(複数の)オファーが来ていることは確かだ。その中にバルセロナも含まれている」と、クラブ名を出してオファーが来ていることを明かした。

世界ナンバーワンのFWメッシ擁するバルセロナは今季の欧州CL優勝候補で、名実ともに世界のトップクラブだが「ルカは(バルセロナに対して)興味を持っていない」と、移籍候補に含まれていないことを話した。その理由に「試合に出られるか分からないからだ。そして彼は数日前にここへ来て、私にこう言った。『僕にとっての(所属先の)テーマはお金じゃない。僕は試合に出たいんだ』とね」と、年俸ではなく出場機会を第一に考えていることを明かした。

チームは残り6節で来季の欧州CL出場権内の4位と好位置に付けている。欧州CL出場を目指しているヨビッチだが「アイントラハト(フランクフルト)で欧州CLに出場し、この先もクラブに残りたいんだ。他の旧ユーゴ圏出身のチームメートとも、非常に良い関係を築けているようだし」と残留を示唆。ビッグクラブに移籍して出場するのではなく、自分の力で出場権を勝ち取り、来季もフランクフルトにとどまって念願の欧州CLに出場することを目標にしているという。

移籍する可能性については「ルカはクラブと敵対することを望んでいない。クラブから『キミを移籍させて資金を得たい』とでも言わない限り、ルカが他クラブに興味を示すことはないだろう」と話し、息子のフランクフルト愛を強調した。(鈴木智貴通信員)