デュッセルドルフの日本代表MF宇佐美貴史(26)が途中出場した。後半35分から左MFに入ったが、既に3点を追う展開で厳しい状況だったため、好機はつくりだせなかった。

試合後、強豪バイエルン・ミュンヘンの強さの秘訣(ひけつ)を説明。宇佐美らしい言葉で語った。

「(他よりも)抜けている。強さが。ドルトムントとか(ボールを)持たれる相手に対してはいい感じで戦えるけど、今日に関しては相手の一番後ろのラインが、ドルトムントとかライプチヒとかグラードバッハ(ボルシアMG)とかより5~10メートル高い。だからより、押し込まれている。ハーフウエーラインくらいで回されて。相手のセンターバック(CB)があれだけ前に来て回されると、攻撃の形は作れない」

そこで「殴られ続けるような形でも(失点)ゼロで粘れればいいし、ずっと回されてるだけならいいけど(Bミュンヘンは)しっかり着実にフィニッシュまで運んでくるのは『何が違うんだろうな?』と思って見ていた」という。

キーマンはドイツ代表MFトーマス・ミュラー(29)。宇佐美自身、Bミュンヘンに所属した11-12年は同僚でもあった。

「ずっとミュラー見ていたけど、本当に忙しい。(DFの)裏に表に、右に左に動く。横への伸縮もだけど、縦幅でも伸縮させられる。サイドの局面を1人で打開できる選手もいるし、そこにシンプルに預けて仕掛けてくるところは多分守れたと思うけど、10番(トップ下)なのか8番(インサイドハーフ)なのか9番(FW)なのか分からないポジショニングをミュラーが取るので、つかみどころがない」

攻撃の部分だけではなく、守備面でも参考になった。「先制点もつぶれたりとか、3点目もニアでヘディングでつぶれていた。守備のスイッチにもなっている。FWレバンドフスキ側からミュラーへのディスカッションみたいなものはほぼなかった。でもミュラー側からレバンドフスキには、言っている。だから守備のスイッチにもなっている。目立たないですけどね。すごいなと思って前半ずっと見ていた」。

敗れたが、強豪との対戦で収穫はあった一戦。前日14日には他チームの結果により1部残留が決定。今季昇格したばかりだが目標を達成した。「気の緩みがあったとかではない。もう完全なる敗北。(残りのシーズンの目標は)多分オフ明けの練習で明確にするんじゃないかなと思う。昨日(残留が)決まったので。できるだけ上を目指そうとは言っている」。終盤まで宇佐美自身も走り抜ける。