【ザルツブルク(オーストリア)7日=中野吉之伴通信員】FW南野拓実(24)とMF奥川雅也(23)が所属するザルツブルクは、FW久保建英(18)が招集外となったRマドリードと強化試合を行い、0-1で敗れた。

南野は右MFで先発。開始早々に相手DFセルヒオラモスに強烈なタックルで削られる場面もあった。前半27分に左サイドからのグラウンダーのクロスを受け、フリーでシュートを打ったが、枠を外して最大のチャンスを逃した。後半開始からは南野に代わり奥川が出場。スルーパスで好機をつくったが得点は挙げられなかった。

南野は試合後、病院に行き診察を受けた。

奥川は今季の目標として、初挑戦となる欧州CL出場と日本代表初招集を目指すことを明かした。

世界トップレベルのRマドリードと45分間戦った奥川は「全部(の試合)同じ(気持ちで)で臨んでいるつもりなんですけど、全然違いますね。気持ちの面も。自然に興奮じゃないですけどモチベーション上がるのが今日の率直の気持ち」と、リーグ戦とは違う緊張感の中でのプレーだったと話した。Rマドリードの印象は「シンプルに、うまかったです」と世界最高峰の選手たちとの対戦を振り返った。

練習試合と公式戦ではなかったが「自分らのプレーがどれだけ通用するのか。欧州CLで。そんな感じです」。初の欧州CL出場を見据えた試合だったことを明かした。試合後の感触は「守備の面ではまってる時はボール取れる。そういうとことはプラスにして。これから欧州CLまでにというか、オーストリアのリーグもそうですけど、ゴールに早くというサッカーをもっと形にできれば、もっとレベルアップできる」と一定の手応えを得たと同時に、欧州CLに必要な要素も感じ取ることができた試合になった。

チームは昨季リーグ優勝したことにより、今季の欧州CLは本戦の1次リーグから出場できる。奥川にとって欧州CLの舞台は「(イメージは)わかんないです。でも、ずっと夢、夢というかテレビで見てきたので」と想像も出来ない大会だと話した。一方で「それが間近に。今年、僕らのチームが出るという、ワクワクの方が大きい。こういう強い相手とできるのは自分のキャリアの上で大事だと思うの」と楽しみにしていることを明かした。

「ドイツで確実な自信得てきた。ドイツで出来る。2部ですけど、全然レベルが高かったので。カップ戦で1部のチームともやりましたし、そういう中で自分のプレーが通用していたので。それが自信になってる。それを結果につなげていけたらいいなと思います」。昨季はドイツ2部ケールに期限付き移籍。リーグ戦19試合5得点と結果を残したことで自身を持って復帰することができた。結果、開幕から南野とともに2試合連続ゴールを達成し、成長を見せている。

開幕から結果を残せたことで今季、チームでの序列は大幅に上がっている。目標は「コンスタントに試合に出ること。やっぱり欧州CLで試合に出ること」と控えめに話したが、欧州CLでも出番を得られる可能性は高い。

目標達成の先に見据えているのは日本代表初招集だ。「結果を残して日本代表に」とはっきりと口にした。日本代表については「もう、常に(考えている)」と意識し続けていることを明かした。悲願の舞台となる欧州CLが、日本代表初招集へ向けて以上ないアピールの場となる。