プレミアリーグ開幕、上位クラブの選手補強費は? イングランドのプレミアリーグが9日にスペインよりも1週間早くリーグ戦をスタートさせた。そんな中、スペイン紙「マルカ」は今シーズンもリーグ優勝の大きな鍵を握ることになるプレミアリーグの上位6強の補強状況を伝えた。

昨シーズン優勝を果たしたマンチェスター・シティーは今夏、獲得選手は多くないものの、6チームトップとなる1億6700万ユーロ(約208億7500万円)もの大金を選手補強に費やした。

チームのベースは昨シーズンのものを維持しつつ、ユベントスからポルトガル代表DFジョアン・カンセロ、アトレチコ・マドリードからスペイン代表MFロドリ、PSVからスペイン人DFアンヘリーニョなどを獲得し、メンバーの質を高め若返りを図っている。

昨シーズン2位で終わるも欧州チャンピオンズリーグ優勝を成し遂げたリバプールは、1億8200万ユーロ(約227億5000万円)の大型補強を行った昨シーズンと打って変わり、今夏は選手獲得にほとんどお金を使わず、補強費は6チーム中圧倒的最下位のわずか190万ユーロ(約2億4000万円)となっている。

ブラジル代表GKアリソンとしのぎを削るため、スペイン人GKアドリアンがウェストハムからフリー(移籍金ゼロ)で入団した。

昨シーズン3位のチェルシーは今夏と今冬の2季にわたりFIFA(国際サッカー連盟)より選手補強禁止処分を受けているため、獲得した選手は昨シーズン、レアル・マドリードから期限付き移籍でプレーしていたクロアチア代表MFマテオ・コバチッチのみ。クラブが今シーズン選手補強に使った金額はその4500万ユーロ(約56億2500万円)であり6チーム中5位となっている。また欧州リーグ優勝の立役者であるベルギー代表FWエデン・アザールをRマドリードに放出したため、フランク・ランパート監督にとってはハードな1年となるだろう。

昨シーズン4位で終わるも、チャンピオンズリーグ決勝に進出したトットナムは今夏、選手補強に8700万ユーロ(約108億7500万円)を投資した。フランス代表MFタンギ・エンドンベレとアルゼンチン代表MFジオバニ・ロチェルソを獲得したことにより、マウリシオ・ポチェッティーノ監督は中盤の強化に成功している。また前線ではイングランド代表FWハリー・ケーンにゴールの期待がかかる。

昨シーズン5位の欧州リーグのファイナリストであるアーセナルは今夏、選手補強に6チーム中3位となる1億5240万ユーロ(約190億5000万円)を費やした。ウナイ・エメリ監督はブラジル代表DFダビドルイス、コートジボワール代表FWニコラ・ペペ、U-21スペイン代表MFダニ・セバージョスを獲得し、プレミアリーグで4位以内に入り、チャンピオンズリーグに再び出場することを目指している。

昨シーズン6位に終わったマンチェスター・ユナイテッドはウイークポイントだったDF陣強化を優先的に進め、DF史上の移籍金最高額でハリー・マグワイアを獲得し、6チーム中2番目となる1億5900万ユーロ(約198億7500万円)を選手補強に投資した。移籍を望みながらも残留することになったフランス代表MFポール・ポグバがリーダーとなり、イングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードやフランス代表FWアントニー・マルシャルの爆発に期待がかかるだろう。

今シーズンもプレミアリーグは盤石の補強を成し遂げたマンチェスターCが中心に進むと思われるが、3連覇を阻止するチームが現れるかに注目が集まる。(高橋智行通信員)